悔いのない馬券を

競馬予想の思考過程の備忘録として

2回福島5日10R信夫山特別の予想

1000万下福島の芝2600mのハンデ戦に10頭。このクラスですでに頭打ち感のあるメンバーがそろった。

1600万下でも走った経験があるのは7番マシェリガールと10番ネイチャーレットの2頭。前者は2歳時にオープン特別を勝ってしまったためにそのクラスを走らざるを得なかったもので、降級しても上位に来るのは厳しいだろう。とは言っても、降級初戦の前走は10着だが0秒6差でそんなに悪くない。後者はこのクラスで一度勝っているし、福島の芝では1戦1勝なので有力と言っていいだろう。トップハンデで57kgを背負うのがネックか。

500万下を勝って臨むのが3歳の4番サトノシャーク。前走は横綱相撲だったし、レコードに0秒3差という好時計だった。消す要素はなさそうに思える。里見治氏のこの世代の所有馬では期待度はそんなに高いほうではなさそうだが、福島で勝ち上がるのがお似合いのような気もする。

狙ってみたいのは5番ワイルドダンサー。4月に500万下を勝って、前走の是政特別が昇級初戦で3着に好走。この2戦を含め、これまでダート戦を使われてきて、芝は2年前、3歳500万下東京の1600mのみ。ここでダイワエキスパートに0秒1差の4着だから適性がないわけではないだろう。切れる脚はないがバテずにジリジリ伸びるのが長所で、芝の長距離は合っているかもしれない。ワイルドワンダー産駒は数が少なくて、まだ芝のレースを勝った馬はいないが、この馬はすぐ下にステイブラビッシモがいて血統的には芝で走ってもおかしくない。単複とエアピザレー、サトノシャーク、サブライムカイザー、ネイチャーレットへのワイド。

第53回農林水産省賞典函館記念の予想

巴賞の予想のときにラッキーゲランのことを書いたが、1年前の函館記念のときも同じことを書いていた……。

「今週の函館のメインは何じゃ」

「巴賞よ」

「わしが若い頃にラッキーゲランというあんまりラッキーじゃなかった馬がおってな……」

阪神3歳ステークスを勝ってから1年休養して鳴かず飛ばずだったのが、巴賞、函館記念毎日王冠と3連勝したんでしょ。もう500回ぐらい聞いたわ」

さて、巴賞と函館記念の関係を、前者のペースから考えてみることにしよう。ここ5年のうち、巴賞から函館記念に臨んだ馬が3着以内に複数入っている年がある。2012年と2016年。この2回の特徴は、巴賞の最初の4ハロンと最後の4ハロンの差が0秒4以内だったこと。今年も最初の4ハロンと最後の4ハロンがともに47秒2で、似たようなイーブンペースだった。ということは、頭数が少なくて低レベルだったように思えるけれども意外にレベルは高かったのかもしれない。巴賞組は6頭で、複数が3着以内に来るかどうかはなんとも言えないが。

というわけで狙いはダンツプリウス。昨年のニュージーランドトロフィーを勝って以来ぱっとしないし、ここ5戦で2回も殿負けを喫していて信用ならないが、前走は久しぶりに入着(4着)。粘りが戻ってきているかもしれない。徹底先行型が複数いる顔ぶれなので、展開にも恵まれるかもしれない。複勝は買える。

七夕賞の反省

昨日の予想通り、マルターズアポジーを思うように逃げさせない鉄砲玉役をフェイマスエンドが買って出た。JRA発表のラップタイムは 12.0 - 10.5 - 11.4 - 12.2 - 11.9 - 12.0 - 11.6 - 11.8 - 11.9 - 12.9 となっていて、やはりこのペースで逃げてはマルターズアポジーも2000mを乗り切れなかった。3コーナーからズルズル後退して11着。

マイネルフロストが勝ったかと一瞬思ったが、ゼーヴィントが差して1着。狙ったフェルメッツァは、位置取りは勝ち馬と同じようなところだったが、反応が悪かったのか3コーナー手前から激しく手が動く始末。大敗を覚悟したがそれなりに粘って5着。1000万下を勝ったばかりで格上挑戦のソールインパクトが3着。しかしこの馬がフェルメッツァより人気で7番人気だったんだよね。馬券うまい人が多いんだなあ。

実績から考えても、新潟大賞典のペースがマルターズアポジーの典型的なパターンに似ていたことを考えても、マイネルフロストは買えたはずだったが、一枚力が落ちるフェルメッツァのほうを選んでしまうあたりが自分はどうにも詰めが甘い。

第53回七夕賞の予想

夏の荒れるハンデ重賞。しかし今年は少なくとも展開面での予想はしやすいと思う。強い逃げ馬マルターズアポジーがいるからだ。

マルターズアポジーが強い勝ち方をしたのは、2月の小倉大賞典だろう。ハロンごとのラップは12.2 - 11.1 - 11.5 - 11.4 - 11.4 - 11.7 - 11.7 - 11.9 - 12.9となっていて、どこで息を入れたのかわからないほどのハイペースを作り出して後続を完璧に抑えた。その前の福島記念では4ハロン目が12秒8と緩んでいて、つまり2コーナーから向こう正面の辺りで息が入っている。この2レースを含め、この馬の逃げは2ハロン目が11秒台前半と速い上に次の3ハロン目もそれほど緩めないで12秒台前半か12秒を切るぐらいのハイペースにするのが特徴だ。おそらく今度も基本的にはそういう流れになるはず。ただし、小倉大賞典のような走りでは、いかに強い逃げ馬とは言え1ハロン長い今回はゴールまではおそらく持たない。したがって福島記念のように息を入れるところを作りたいだろう。逆に他の馬はそこを防ぐ作戦が必要になる。シルクレーシングの馬が3頭出ていて、その中ではゼーヴィントに勝ってほしいだろうから、パドルウィールかフェイマスエンドがハイペースを維持する役を担わされるだろう。

というわけで、好位から後ろに位置する馬の中で、マルターズアポジー的なハイペースを経験し上位に来たことのある馬が有利と考えられる。本命はフェルメッツァ。福島民報杯がそういう流れだった。この馬の単複。ワイドと馬連ゼーヴィントマイネルフロスト、スズカデヴィアス、パドルウィールに流す。

2回福島2日・2回中京2日・1回函館6日の反省

久しぶりに馬券全滅だった……。

巴賞はサトノアレスが単勝1.5倍の圧倒的な支持に応えて……クビ差の辛勝。まあ足をすくわれそうな感じには見えなかった。 2着にアングライフェン。3着は狙ったマイネルディーンではなく最低人気のナリタハリケーン。 7着に終わったマイネルディーンは、プラス18キロの馬体重が示すように重め残りだったようだ。スタートから反応が悪く、丹内が押して中団を確保したがリズム悪く、直線でも伸びそうな気配はまったくなかった。古馬オープン特別では0秒2,0秒3,0秒4そして今回0秒5差となり、順調に着差が開いていっている。衰えだな……。

CBC賞は、前走1400mで快勝していたシャイニングレイが目の覚めるような末脚でセカンドテーブルを差し切った。 期待したエイシンスパルタンは、これも休養明けで体が重かったのか、先行できず中団から。特に見せ場もなく11着。

ラジオNIKKEI賞は、モンドインテロの半弟セダブリランテスが逃げたウインガナドルをしっかりした末脚で差し切って3戦3勝。石川裕紀人くんの重賞初勝利。 狙ったニシノアップルパイは、スタートひと息で2番手に押し上げていったものの、終始引っかかり気味で4コーナーで既にガス欠の雰囲気があり殿負け。フジテレビを見ていて、井崎脩五郎が俺と同じ根拠でこの馬を推していたのでいやな予感はしていたんだよね。まあ4番人気という時点で穴人気しすぎの感はあった。 江の島特別では殿負けを喫したロードリベラルが、今回は鮮やかな追い込みを見せて3着。見限るのが早すぎた。

というわけで今週は3戦全敗に終わったが、こういう買い方で当たる時もあるので今日は相性が悪かったと思うしかない。ロードリベラルのように一度狙ってダメだった馬を再度狙う勇気は持つ必要がありそうだ。

1回函館6日11R巴賞の予想

函館記念との連動が薄れ、今ひとつ存在意義がわからないレースになってしまっている函館の芝1800mオープン特別。

G1馬が出走するのは、1990年のラッキーゲラン以来だそうだ。好きだったなあラッキーゲラン。栗毛のすっきりした馬体のグッドルッキングホース。1988年の阪神3歳ステークスを勝ってから長期休養、復帰してからは冴えないレースが続いたが、5歳(当時の表記)3月のコーラルステークスでの久しぶりの勝利後また凡走を続けた後、夏に巴賞から函館記念毎日王冠と3連勝、予想外の復活を遂げた。しかしその後は重賞を勝つことはなく、種牡馬にもなれなかった。

今年は朝日杯FSの勝ち馬サトノアレスのほかは8歳馬3頭、7歳馬2頭、5歳馬と4歳馬が各1頭と、やけに年齢層の高いレースになった。このレースが少頭数になるのは珍しくないが、こういう偏った年齢分布になったのは記憶にない。高齢馬はこの後どういう未来図が描けるのだろうか。しかも、今回の出走馬でオープン以上で勝利経験のあるのがダンツプリウスとサトノアレスの2頭だけなのだ。

狙いは1番のマイネルディーン。この馬も8歳で34戦しているので上がり目はなさそうだが、3着はあるかもしれない。洋芝では、札幌で1戦1勝という実績がある。この時が1年近い休養明けで、今回が7か月ぶり。リフレッシュされている可能性は高いだろう。それにこの馬、古馬になってオープン入りしてから11戦しているが、重賞では入着なしでまったく歯が立たないのに対し、オープン特別では3戦して3着2回と善戦している。オープン特別で唯一の着外になった前走のアンドロメダステークスは9着だが、0秒4差で着順ほど負けていないし、内で前が開かずまともに追えていなかった。この頭数ならその心配もないだろう。まず複勝。サトノアレスとのワイドはたぶん複勝と同じくらいの配当しかないので、2頭軸の3連複を4通りぐらい買っておく。

第53回CBC賞の予想

中京の芝1200mで行われるサマースプリントシリーズハンデ戦。例によってJRA公式サイトのデータ分析を見ると、“過去4年の優勝馬には「5走前までに1400m戦で2、3着に入っていた」という共通点がある”というところがポイントのようだ。勝っていてはいけないのか、というのが気になるが、予想の上で重要なファクターだ。

その観点から狙えそうなのは13番エイシンスパルタン。3走前にスワンステークスで逃げて3着、一昨年のこのレースで2着のダンスディレクターに先着。前走の阪神カップでは行きっぷりが悪いように見えたが、半年休養してリフレッシュされているだろう。このレースではMr. Prospectorの血を引く馬の活躍が目立つが、この馬は父系がミスプロ直系(祖父はUnbridled)で、かつ5x5x4の強力なクロスを持つ。そこそこ人気にはなるだろうが。

血統的に気になるのは2番ティーハーフ。同じくミスプロ直系(父ストーミングホーム)に加えて、こちらは3x4のクロス。さらに、2013年と2015年にこのレースで3着に入ったサドンストームの全弟でもある。この馬自身が高松宮記念で6着、3着というコース実績もある。使い詰めで上がり目がなさそうなのが気になるが、2014年に3着に入ったニンジャと似たローテーションだ。3着には来てもおかしくない。

もう1頭、3歳馬の15番タイムトリップもミスプロ直系(父ロードアルティマ)で1400mでの好走歴もあって条件が合うので気になるが、3歳馬はあまり好走例がないようだ。