第92回東京優駿(G1)予想
ダービーで思い出深いのは、1993年のウイニングチケットが勝ったレース。第60回東京優駿。この年も「平成の米騒動」と呼ばれる米の供給不足が起こったが、原因は夏場の天候不順による収量の低下だったため、まだこの時点ではそういうことにはなっていない。しかしダービーの日も曇で、馬場も内はけっこう荒れていた。
今年は「令和の米騒動」。平成の米騒動の年と同じように皐月賞上位組が強そうだ。
第60回東京優駿の日は、柴田政人が差して勝ち逃げて勝ち、冴え渡っていた。レース前には競馬場全体が「今日は政人の日だ」という雰囲気に包まれた。そして1番人気に応えて悲願のダービージョッキーになった。
そのダービーの正面スタンドで、杉浦宏昭騎乗のガレオンに声援を送っていたのは自分一人だったような気がした。一緒に行った友達はウイニングチケットの単勝にしこたま賭けていたので、競馬が終わってから寿司のご相伴にあずかり、結果としては自分が負けてよかったのだが。
さて、今年のダービーで3強と目される皐月賞上位馬に騎乗するのは、北村友一、ダミアン・レーン、坂井瑠星はまだ若手から中堅といったところで、誰も「今年こそ」といった悲壮なムードを漂わせてはいない。だからといって誰かが脱落しそうだというわけでもないが。
去年はジャスティンミラノが皐月賞をレコード勝ちしたが、ダービーではダノンデサイルに足をすくわれた。事前の予想では、レコードが出るような激戦の後なのでレースへの参加度の低かった馬が有利かもしれないと考えて、ダノンデサイルも馬券候補に入れていたのに、当日いろいろ考えた末に買わなかったのは今でも悔やまれる。
今年も皐月賞組が強いのを前提として、去年のレコードを更新したぐらいの高速馬場での激戦だったので、やはりレースへの参加度合いが低かった馬から穴馬を見つけたい。
ジョバンニは2着からほとんど差のない4着なので十分参加していたけれども、不利も何度かあったし今日もそれほど人気はないので候補に入れる。エリキングはそのジョバンニに2歳時だが2勝している。皐月賞ではマスカレードボールとやり合ったりするなど不利もあった。カラマティアノスは共同通信杯でマスカレードボールに負けているが、展開のあやもあった。皐月賞でも直線で進路がなく、参加度合いが低いという意味でぴったりなのがこの馬。
この3頭から3強へのワイド……を買ってしまうと当たっても大したことないので、馬連にするか、どれかを落とすことにしよう。
第86回優駿牝馬(G1)予想
もともと桜花賞組が強いレース。しかしその上位3頭にも距離適性、鞍上の腕、出遅れ癖といった不安要素があるので、別路線組が3着以内に入れる可能性もあると思う。
別路線は主要なところでは中山1800mのG3フラワーカップ、阪神2000mのリステッド競走忘れな草賞、東京2000mのG2フローラステークス、東京1800mのリステッド競走スイートピーステークス。これらの比較を試みてみると、フラワーCで4着だったジョスランが物差しになりそう。同馬はオークス前日の今日、東京の3歳1勝クラスカーネーションカップに出て、フローラSで4着だったエストゥペンダを強い勝ち方で下している。ジョスランはフラワーCで特に不利はなかったのに対して、エストゥペンダのフローラSは途中から急に先頭に立つなどスムーズなレースではなかった。その2頭が対戦してフラワーC組が完勝したのだから、フラワーC上位組のほうがフローラS組より上と評価できそうだ。
フラワーC組の中では、出遅れて後方を進み最後すごい脚を見せて2着に入ったパラディレーヌが前日夜の段階で単勝5番人気に推されている。勝ったレーゼドラマは2番手を進んで恵まれたと見られてか、8番人気にとどまる。オークスでは差し馬が圧倒的に好成績を挙げているので、先行馬のレーゼドラマには不利と考えられてもいるだろう。しかしフラワーCは先に行った馬が楽に残れたレースではなく、逃げたハードワーカーは最下位、3番手につけたエナジーショットがブービーに沈んでいる。2ハロン目が11秒2とややゆるかったものの、それ以降の区間は最後までずっとラップ差が小さく、先行馬は息を入れるのが難しかったのではないか。周囲の先行馬を競り落としたレーゼドラマは相当高い水準のスタミナの持ち主と思われる。この馬自身は道悪未経験だが、オークス当日は午前中にかなりの降水が見込まれるため、体力をそがれる馬が多いと予想される中、先に行けてスタミナ豊富という個性は大きなアドバンテージだろう。複勝を持っていれば最後まで楽しめるはずだ。
第85回皐月賞(G1)予想
牡馬にとっての3歳クラシック初戦、中山芝2000mに18頭。
クロワデュノールの一強ムード。これまでのレースぶりはケチのつけようがなく、逆らうつもりは全然ない。鞍上の北村友一は断然の一番人気に乗っての大一番で信頼できるイメージはないけど、これを期に飛躍してもいいのではないか。強い馬が強い勝ち方をするところを見せてもらいたい。
上位に入るチャンスのありそうな馬は多いが、今のところ人気面も含めて魅力を感じるのはニシノエージェント。前走の京成杯はタイセイリコルドとガルダイアの暴走でハイペースになったのを追いかけた人気馬が総崩れ、後方からロスなく進めたこの馬は展開とコース取りの両面で恵まれたと見られているのだろう。レーティングも110と低めに出ている。しかし未勝利を勝ち上がったばかりで重賞のハイペースに対応できていることを考えると、この馬の能力自体は高く評価できる。厳しいレースを経験しつつも間隔は十分に開いているというアドバンテージも加味すれば、狙う価値はあるだろう。
もう1頭、キングスコール。2歳の7月に札幌でデビューし、レコード勝ち。骨折で休養した後の復帰戦となったスプリングSで出遅れながらも3着。4コーナーから押っつけ通しでもあった。レース勘が戻っていなかったのだろう。本番で戻るかどうか。久々にレースを使った反動もあるかもしれないし、不安要素には事欠かないが、レースぶりに注目したい。
以上から、クロワデュノールからのワイド流し2点を買うことにする。
第85回桜花賞(G1)予想
昨年から阪神競馬場が施設改修で開催できない期間があったため、例年と違って阪神での出走経験がない馬が過半数を占める。重要なステップとなっている阪神ジュベナイルフィリーズも京都競馬場で行われた。前日の時点で人気を集めている有力馬の多くが阪神を経験していない。歴史上、阪神未経験で桜花賞を優勝したのは、アーモンドアイ、デアリングタクト、スターズオンアースといった傑出馬のみ。今年の人気馬の中に、このレベルの名牝に育つ馬はいるだろうか。
そして何より、この土日の降雨で道悪になりそうなのが予想を難しくする。2歳女王のアルマヴェローチェは稍重~重で好走したことがあり、その一点だけを根拠にこの1頭に絞るのも可能かもしれないが……。
現時点で1番人気がエリカエクスプレス。走破タイムやレースぶりからも能力が高いことは疑いないところ。不安材料は、厳しいレースを経験していないこと。これまでと違ったレースを強いられた際に対応できるかどうか。あと、鞍上の戸崎は関西圏での成績が悪い。
東京のクイーンカップを勝って臨むエンブロイダリーは、モレイラ騎乗が心強い。クイーンCは2ハロン目が11秒を切り、その後もハロンあたり11秒5が連続する厳しいラップを先行して後続に大きな差をつけた。ステップレースの中では一番強さを感じさせる勝ちっぷりだった。急坂は2歳時に中山1勝クラスのサフラン賞5着で経験済み。このときは、後方待機から上がり最速で0秒1差まで猛追しているので、克服していると言っていいと思う。不安材料は、スタートが悪いこと、右回りで内にモタれる癖がありそうなこと、関西圏でのレースが初めてになること、などが挙げられる。
リンクスティップは、前走のきさらぎ賞が出色。3歳牡馬では実力トップクラスのサトノシャイニングには突き放されたが、直線で並びかけてきたランスオブカオスとの叩き合いには競り勝った。京都しか経験がないこと、1600mも初めてになること、鞍上のミルコ・デムーロがかつての輝きを失っていることなどが不安材料。
このように有力馬には阪神で未経験という大きな隙があるので、阪神で好走歴がある穴馬を見つけたい。
魅力を感じているのはチェルビアット。秋華賞とジャパンカップを勝ったショウナンパンドラの半妹で、ステイゴールドやサッカーボーイが出た一族。2月に小倉で通算4戦目にして初勝利を挙げ、その次に選んだレースが阪神芝1400m、桜花賞トライアルのフィリーズレビュー。強気の挑戦だったが、勝った未勝利戦では1200mを先行したのに対して、距離延長の重賞で引っかかることなく後方待機、コーナーは外を回る距離ロスがありながら上がり最速タイで追い込んで2着。格上挑戦で全然違うスタイルの戦法にあっさり対応できた。非凡な能力を持っていると思う。単複を買っておきたい。
第69回大阪杯(G1)予想
「中距離適性を持つ一流馬の国内の春季競馬における出走機会を拡充する」として2017年G1に昇格した大阪杯。ところが現状では、一流馬は同時期にドバイで開催されるレースを選択することが増えてきたため、超一流には少し足りない馬にG1を獲得する機会を与えている感がある。
この10年で関西馬しか勝っていないというデータもあり、なんか不思議なG1だ。
今年は、6戦5勝という勝率だけみれば堂々たる一流馬のシックスペンスが断然の1番人気かと思ったら、前日の時点で単勝5倍を上回っており、人気は分散している。6戦5勝といってもその中にG1は含まれておらず、楽な競馬が多かったと見なされているだろうか。2番人気になっている桜花賞馬ステレンボッシュとともに関東の国枝厩舎所属なので、データ面で避けられているのかもしれない。
日曜日に近畿地方でかなりまとまった雨が降りそうなのも予想を難しくしている。良馬場なら狙ってみようと思っていたアルナシームは、稍重で4戦していずれも着外。とても買えない。
逆に稍重と重ですべて入着しているのが一昨年の皐月賞馬ソールオリエンスだが、直線だけで加速をつけて伸びてくるこの馬のスタイルと、阪神の内回りというコースの形態が合っていないように思う。
一番勝ちそうな気がするのがロードデルレイ。池添のデシエルトが速いペースで逃げ、ホウオウビスケッツとベラジオオペラが続く先行勢の後ろで内につけそうな差し馬という条件に合うと思う。かなり人気しているので、配当があまり期待できないのが難点。
人気とこれまでのレースぶりのバランスからみて、狙えそうなのはコスモキュランダ。モレイラ騎乗でジャスティンミラノをクビ差まで追いつめた昨年の皐月賞以降、1着はないが菊花賞を除き大崩れはしていない。こちらは、内を狙うというより、3コーナーの手前あたりから早めに加速していく戦法か。これまでもその動きで結果を出している。鞍上の丹内祐次は、今まで重賞は年に1回しか勝ったことがなかったのに今年はすでに3勝。充実ぶりに賭けてみたい。
第34回チャーチルダウンズカップ(G3)予想
去年までのアーリントンカップ、それ以前はペガサスステークスだった阪神の芝1600mで3歳馬によって行われる競走。3着までにNHKマイルカップの出場権が与えられる。
アーリントン競馬場が閉鎖されてJRAがチャーチルダウンズ競馬場と姉妹提携を結び直したのでレース名も変更になったらしい。回次はアーリントンカップから数えているのでチャーチルダウンズカップはいきなり第34回から始まる。
ペガサスステークスは5回施行されて勝ち馬からオグリキャップ、シャダイカグラという2頭のG1馬が出て格の高いレースになる可能性があったのに、回次はアーリントンカップに引き継がれなかった。
今年は11頭立て。
去年のルーキー吉村誠之助が騎乗するランスオブカオスは、新馬の勝ち方がよく、朝日杯FSでも注目していた。好騎乗もあってキャリア2戦目なのにG1で3着に入ったが、次走きさらぎ賞はメンバーの水準が大幅に下がったのにやっぱり3着。陣営は1800mという距離が長かったと考えたのか、マイル路線に狙いを定めてきた。
朝日杯FSで1番人気だったアルテヴェローチェは、その次のシンザン記念でリラエンブレムに突き放された2着で、2戦続けて人気を裏切っている。負け方がよくない。こういう人気馬は嫌いたい。
狙えそうなのは、前走が阪神JFで5着のスリールミニョン。ずっと大外を回ってかなりの距離ロスがありながら0秒8差に健闘している。ダイワメジャー、ダイワスカーレット、ヴァーミリアンらと同じスカーレットインクの血を引く。
あと、ランスオブカオスの単勝を買って吉村騎手の重賞初制覇を祈ろう。
第57回ダービー卿チャレンジトロフィー(G3)予想
中山の芝1600mのG3ハンデ戦。今年は14頭立て。
鞍上モレイラのトロヴァトーレが断然の1番人気になりそう。でもこの馬、3歳春には過大評価を受けていて(弥生賞1番人気6着、青葉賞5番人気11着)、ダービーが終わった後に条件戦で再始動してからようやく強さを見せるようになったという戦歴で、強さは認めるけれども人気先行するのが宿命みたいなところがある。
2頭いるトップハンデ58.5kgのうち、ロジリオンは4歳。これまで13戦してすべて5着以内という堅実な成績で、NHKマイルカップ3着など3歳重賞で好成績を残した後に古馬との対戦になってからも善戦を続けている希有な馬。先に行ける脚があるので不利を受けにくい面があり、その点は恵まれてきたかもしれない。
気になるのが、56kgを背負うタシット。6歳馬ながら重賞は初挑戦となる。これまで17戦のうち、中山で10戦してすべて5着以内という中山巧者。オープンクラス入りを決めた前々走3勝クラスでは1分32秒8という好時計勝ち。2着に3馬身半差をつける鮮やかな勝ち方を見ると、出世は遅れたが重賞にも手が届くかもしれないと思わせた。人気のトロヴァトーレとも接戦したことがあり、今回はその当時より斤量面で有利になる。前走は重馬場で直線の坂に入る頃にはもうバテバテだったので同情の余地はある。
そして、前々走でタシットを破ってオープンクラス入りしたゴートゥファーストも気になる。その3勝クラス2024ファイナルステークスでは、それまで先行していたのが初めて後方から大外を回す戦法を試みて成功しており、脚質転換に加えて距離のロスがありながら勝ち切ったのは評価に値すると思う。重賞初挑戦の前走東京新聞杯(G3)で先行スタイルに戻し、他の先行馬が上位に来ている中で12着に大敗したのはたしかに懸念材料。ただし、1着とのタイム差は0秒9でさほど大きくなかったので、それほど悲観することはないかもしれない。
以上4頭を選び、人気上位2頭と下位2頭でワイドのフォーメーションという買い方を試してみたい。