悔いのない馬券を

競馬予想の思考過程の備忘録として

第84回日本ダービーの展望(月曜版)

日本ダービー」と書くべきか「東京優駿」と書くべきか迷うなあ。

今週末に向けて気分を盛り上げるために、Numberの競馬特集号も買ってきた。

ここ5年(だけではないと思うが)ダービーで3着以内に入った馬の前走は、皐月賞青葉賞京都新聞杯のどれかに絞られる。したがってこの3レースをしっかり分析しておけばいいが、京都新聞杯からは出走馬ゼロになる可能性が高いので、皐月賞青葉賞だけでいい。

オークスのときは、桜花賞の厳しいレースを使った後なので別路線組かレースへの参加度が低い馬が有利と予想したが、皐月賞とダービーの関係はそういうものではないようだ。昨年のマカヒキも一昨年のドゥラメンテも、皐月賞でハイペースの厳しいレースを走り切って結果を出しつつダービーでさらにいいパフォーマンスを見せた。今年も力関係がそんなに大きく崩れることはないのではないか。

レースレコードだった皐月賞のラップタイムをみると、最も遅かったのが6ハロン目で12秒4。平均的に速い、厳しいラップを刻んでいた。その流れを先行してしのぎ切ったアルアインは素直に評価すべきだと思う。それ以外の上位馬をどう考えるべきかが難しいところ。これについては後日検討する。

青葉賞は、アドミラブルが強引にまくっていきながら最後は突き放すという強いレースをして、こちらもレースレコード。青葉賞の勝ち時計はダービー本番より2秒ぐらい遅いのが通例だが、今年の青葉賞は2分23秒6でオークスより速い。2秒短縮できる馬は存在しないだろう。単純に時計だけでいうと、昨年のヴァンキッシュランも2分24秒2と速く、ダービー本番でも同じタイムで走っていれば4着に相当するものだったが、そうはいかず13着と大敗。青葉賞は4ハロン目が13秒0まで落ちており、息が入る流れだったのが同馬には有利に働いていたのに対し、本番はそこまで緩む場面がなかったことが影響しているかもしれない。今年は全体の走破タイムの速さもさることながら、最も遅かったのが最初の1ハロンで12秒5とダービー本番並みの厳しい流れで、しかもペースがそんなに落ちていない箇所からロングスパートを始めているのだから、勝った馬は相当強い。懸念材料としては、レース間隔が詰まっていて関西から何度も輸送するという部分がどう影響するかというところぐらいだろう。

オークスの反省

かなりのスローになった。最初の3ハロンが37秒1、中でも2ハロン目が11秒6というのはここ5年ではなかったペース。前目につけていたモズカッチャンが直線で先に抜け出して勝ったかと思ったが、道中は同じような位置にいたソウルスターリングが少し遅れてスパート、あっという間に差し切って2馬身近い差をつけて完勝。アドマイヤミヤビは中団やや後ろから。ディアドラが内からするする上がっていったところを最後に差して3着。

昨日書いたようにワイド6点を買っていれば、モズカッチャンとアドマイヤミヤビの1-16で1680円ついたんだけど……。モズカッチャンを外してディアドラとハローユニコーンを入れてアドマイヤミヤビからの3点流しに変更し、当日テレビを見てソウルスターリングレーヌミノルのワイドを急遽買い足した。結果、全部外れ。データからはモズカッチャンを外す理由はなかったのにね。予想の方向性としては悪くなかったと思うけど詰めが甘い。

ソウルスターリングはやっぱり強かった。この馬も実は桜花賞ではレースへの参加度が低かったのかもしれない……ということはなくて陣営の努力だろうな。

第78回優駿牝馬の予想

馬券がダメだった京王杯スプリングカップヴィクトリアカップの反省をしないうちに次の週の競馬が始まってしまった。今日のメイステークスも、いつも出たら買っているナスノセイカンがオープン特別で絶好の舞台と思っていつもより多めに買ったら伸びず6着どまり。うーん。

さて、優駿牝馬すなわちオークスの予想を。

ここ5年のオークスと同年の桜花賞のラップタイムを比較して考えてみた。今年の桜花賞は馬場状態が稍重で特殊だが、3ハロン目が2ハロン目に比べてそれほど落ちていない(今年は2ハロン目10秒9に対して3ハロン目11秒1)という点と、最後の2ハロンはそれとは逆に落差が大きい(11秒9から12秒8)という点に着目すると、似たパターンだったのが2013年桜花賞。ハイペースの消耗戦というわけで、勝ったのはアユサン。この年のオークスは、桜花賞では最後の直線で脱落して10着だったメイショウマンボが勝ち、2着と3着にはフローラステークスから臨んだエバーブロッサムとデニムアンドルビーが入った。桜花賞上位組は、アユサンが4着に入った以外は、レッドオーヴァル、プリンセスジャック、クロフネサプライズローブティサージュのいずれも惨敗している。

ここから浮かび上がる仮説は、

  • 桜花賞が厳しい闘いだったので、よほど力が突出した馬でなければ桜花賞上位馬がオークスでも上位には来ない。
  • 桜花賞で闘いに参加していなかった馬か、別路線から向かった馬が有利。

といったところだろう。

産駒の成績が尻すぼみで実はそんなに大した種牡馬ではなかったという説すら出てきたフランケルの娘2番ソウルスターリングが前日の時点で単勝2倍台の1番人気。これは意外だが、実際の力はどうなんだろう。桜花賞でそこそこがんばったのがむしろマイナス材料、少なくとも人気には見合わないと思うので、積極的には買わない。14番リスグラシューも同じ。

逆に、勝った13番レーヌミノルは、突出しているとまで言えるかどうかはわからないが、アユサン級の力があるなら3着以内に来る可能性はある。このままさほど人気が集まらないようなら買う価値はあるだろう。

桜花賞でほとんど闘いに参加しなかった馬といえば、うんこしていた16番アドマイヤミヤビ。プリンシパルステークスでのダイワキャグニーと同様に、良績を挙げている東京コースに戻るので、人気でも買うつもり。

別路線組ではやはりフローラステークスだろう。勝った1番モズカッチャンと幸運にも抽選を通った11番レッドコルディスの伸び脚がよかったので、この2頭をピックアップ。ここまでに挙げた4頭のうちから2頭軸でワイド6点を買うつもり。単勝はアドマイヤミヤビ。

第12回ヴィクトリアマイルの予想(結論)

昨日は結論をちゃんと書いてなかったので、今日決めた馬券を書いておく。

昨年の上位5頭から、引退したストレイトガールショウナンパンドラを抜いたらミッキークイーンスマートレイアールージュバックが残る。この3頭は深く考えず買えるはず。

ウキヨノカゼは昨年7着だったが、上がり3F33秒4という数字は勝ったストレイトガールに並んで最速。近走の中山牝馬ステークスから福島牝馬ステークスへというローテーションも過去に好走例がある(ミナレットマイネイサベル)。スプリンターズSでも3着の経験があり、G1でも格で負けることはない。相性のいいクイーンカップの覇者。条件がそろっているから改めて拾う。

結論としては、ミッキークイーンからスマートレイアールージュバックウキヨノカゼの3頭への馬連とワイド。当たっても破壊力のない組み合わせだけど。

第12回ヴィクトリアマイルの予想

先週のNHKマイルカップを的中させたことがないと書いたが、このヴィクトリアマイルも的中した覚えがない。

ストレイトガールが連覇し、かつその前年にも3着に入っていることで、スプリント適性が問われるレースのようなイメージを持っていた。そうすると、4番ソルヴェイグや12番ウキヨノカゼ、14番レッツゴードンキといった馬にチャンスがありそう。しかし、過去の好走馬の顔ぶれを見ると、必ずしもそうではないようだ。桜花賞クイーンカップなど3歳までのマイル戦で良績を残した馬の活躍は目立つが、そういう馬がもっと長い距離でも活躍していたりするし、距離適性についてはそんなに顕著に限定的な傾向があるわけではないのかもしれない。マイルやスプリントに向いた馬という意味では、過去のカフェブリリアントウインプリメーラ、ウリウリなども資格がありそうに見えたが、大敗している。その一方で、好走した馬は連続して好走する傾向があることもよく知られている。ということは、このレースで問われるのは、ある種の底力、まさにG1という舞台でこそ要求される一段階上の力ではないだろうか。それは筋力とか心肺機能とか、数字だけを見ていてはわかりづらいアスリートとしての性能かもしれない。相馬眼があれば見抜けるのかもしれないが……。

机上派としてそうした部分で大きなヒントになりうるのは血統だろう。血統表をながめていて目に留まったのが6番アスカビレン。母の母の父がNashwan(父Blushing Groom)で、この点ではホエールキャプチャと同じ。Blushing Groomを持つ馬としてはほかにもヴィルシーナがいたし、昨年は2着だった11番ミッキークイーンもそうだ。今年の出走馬では2番スマートレイアーと7番ルージュバックもそう。Blushing Groomの爆発力が間歇泉のようにここで発揮されるというシナリオはどうか。ただ、ここで挙げた馬にそのクロスがあるわけでもなく、Blushing Groomの支配力がどれほどかという疑問は残る。また、アスカビレンのように前走が重賞でなかった馬で3着以内に入ったのはここ5年で皆無なのが気になる。昨年6月の阪神芝1800mの三木特別での勝ち時計1分45秒0は重賞級だと思うが、上で述べたようにG1という舞台で上位にくる資格が臨戦過程にも反映しているのかもしれないし。

ミッキークイーンは血統面からも臨戦過程からも不動の中心と考え、血統面でアスカビレンを選び、ほかは近走の充実ぶりからピックアップするという考え方も現実的かもしれない。たとえば福島牝馬ステークスで好走した15番フロンテアクイーンや、もう少しで阪神牝馬ステークスを勝てそうだった3番ジュールポレールには惹かれる。ミッキークイーンからジュールポレールスマートレイアー、アスカビレン、フロンテアクイーンの4頭に馬連とワイドを流すとか。しかしこういう腰の定まらない買い方では悔いが残りそう。

第62回京王杯スプリングカップの予想

京王杯スプリングカップ安田記念の前哨戦とされているが、結果がそんなに連動しているわけでもなく、むしろ芝1400mの重賞としてここが適距離の馬にとっては貴重な舞台になっていると考えてはどうだろう。ハロン10秒台もちょくちょく出現するようなハイペースを中団あたりで追走できて、しっかりした末脚も使えるが1600mだとちょっと足りないというようなイメージ。

ここ5年の上位馬の臨戦過程を見ると、東京新聞杯ダービー卿チャレンジトロフィーで惜しい負け方をした馬が多い。昨年のサトノアラジンや2014年のクラレント、2013年のダイワマッジョーレトライアンフマーチガルボ、2012年のサダムパテック(これは東京新聞杯13着で大敗だが)など。あるいは逆に高松宮記念で大敗した後、かなり条件の違うここで巻き返すパターンか。2015年のサクラゴスペルと2014年のレッドスパーダはこのタイプ。この傾向からも、1200mでも1600mでもなく1400mに適性を持つ馬の舞台だと考えていいと思う。

JRA公式サイトで過去の好走パターンが示されているのでこれも参考にしよう。

  • 前走6着以内
  • 東京芝の1600万下クラス以上で連対経験
  • 前走が1400m以上、1400mの場合は高松宮記念で4角9番手以内が必須

この条件をすべて満たすのが3頭いる。5番トーセンデューク、7番ブラヴィッシモ、9番グランシルク。この3頭のワイドをボックスで買えばいいだろう。配当もそこそこいい。

特にグランシルクは、冒頭で述べたイメージにぴったり。東京芝1400mは2戦2勝で、いずれも条件戦だが、中団から外を回してかなり距離のロスがあったのに最後は後続を突き放す強い勝ち方だった。1600mでも常に人気を背負ってそこそこ好走するが、いつも一歩足りず惜敗している印象。前走のダービー卿CTもそうだった。この馬の本当の適距離は1400mではないか。ここでも当然ある程度は支持を集めるだろうが、1番人気ということはないはずだし、ほかの有力馬にも懸念材料がある今回、勝てるチャンスはいつもより大きいと思う。

2回京都5日・東京5日・東京6日の馬券の反省

土曜日の京都メイン、京都新聞杯を勝ったのは実績通りプラチナムバレット。せっかく勝ったのに骨折でダービーに出られないのは残念。ダノンディスタンスが3着。ほぼデータ通りの決着。ここに書いた予想の通り買っておけば的中だったのに、サトノリュウガを軸にしたワイド流しに変更したので馬券は外れ。人気を見ておくならダノンディスタンスの複勝を買っておくべきだった。

土曜の東京のメイン、ダービートライアルのプリンシパルステークスはダイワキャグニーが楽勝。抜け出すときの脚はすばらしかった。レッドローゼスが2着で予想も馬券も的中。ダイワキャグニーは単勝1番人気ではあったが思ったほど支持率は高くなく、見た時点では4倍台だったので単勝を買った。レッドローゼスが2番人気に支持されたのも意外だったが、オッズを見る前にワイドを購入したので無事的中した。

しかし1分58秒3という勝ちタイムはどうなんだろう。速すぎじゃないか。ダービーまで中2週しかないので、反動が心配。思ったより成長度が低いという話も聞いたし、本番で買うことはまずないだろう。

日曜日の東京メイン、NHKマイルカップ牝馬のアエロリットが先行して抜け出し余裕の勝利。実績のわりに人気になりすぎていると感じたが、実力の裏付けがあったようだ。血統もここ数年の傾向の通りだった。これで2年連続で牝馬が勝ったことになる。2着にも牝馬のリエノテソーロで、これはノーマークだった。3着に残ったボンセルヴィーソを含め、上位は前の方にいた馬が占めた。狙ったレッドアンシェルは後方から。4コーナーで内に潜り込むことを期待したが、そういう展開にはならなかった。外を回った距離のロスが響いて惜しい4着。今年も的中はならず。皐月賞組のアウトライアーズもプラチナヴォイスも出番はなかった。軽視した2着馬・3着馬にやられた格好だが、馬券の買い方としては間違っていなかったと思う。