悔いのない馬券を

競馬予想の思考過程の備忘録として

第155回天皇賞(春)の予想(枠順決定前)

キタサンブラックサトノダイヤモンドの2強対決ムード。キタサンブラックが勝つだろうと思う。

1992年のメジロマックイーントウカイテイオーのときに似た雰囲気を感じる。ただし大きく違うのは、有馬記念ですでに一度対戦していることだ。サトノダイヤモンドが勝ったが、同じ馬主のサトノノブレスによるアシストも(どれだけ効果があったかはやや疑問も残るが)あり、斤量差もあったから……とするのが常識的な見解。

ほかに目につく点としては、有馬記念のペース。ハロン(200m)ごとのスプリットでみて6,7,8番目すなわちスタートして900mから1500mまでで(通常は200mごとのハロンタイムがJRA公式サイトに掲出されるが、有馬記念は2500mなので最初のスプリットは100mと特殊な分け方になる)13秒4,12秒8,12秒9とかなり遅い地帯が出現していることだ。これに対してキタサンブラックが勝った昨年の天皇賞(春)では、1ハロン13秒以上を記録したのは最初の1ハロンだけで、次いで遅いのが8ハロン目の12秒9だった。後ろの馬に「脚を使わせる」ことが非常にうまいのだろう。キタサンブラックに対して後方から出し抜けを食わせることに成功した馬がここまでほぼ皆無だという事実もこれを裏付ける。

キタサンブラックがゆるみのないペースを続けてサトノダイヤモンドに脚を使わせることができれば、追いつけずにキタサンブラックの勝ち。途中でゆるんで差を詰めることができればサトノダイヤモンドの勝機が広がる。ということになりそう。

で、どちらの蓋然性が高いかというと……わからない。京都競馬場で3200mという条件なら、やはりキタサンブラックのほうが有利じゃないかなあ、という曖昧な根拠で冒頭の結論になる。

これを後押しするのが,JRA公式サイトに出ている過去の傾向

過去3走における芝2400m以上のレースでの最低着順別に成績を調べると…(中略)…「1着」だった馬は9頭が該当したものの優勝がなく3着以内に入ったのも1頭のみと苦戦気味

とのこと。連勝を続けているからといってここでも勝てるとは限らないわけだ。1番人気の不振というよく知られたジンクスも、これに起因するのかもしれない。

2回東京1日・2日の反省

土曜日の3歳500万下芝2300mの新緑賞は、6番人気の大野騎乗ビービーガウディが差し切り勝ち。スローでほぼ均一のペースだったから、長くいい脚を使えた馬が勝ったのだろう。狙ったエンドゲームは好位の外目から。エテレインミノルを競り落とした程度では強調材料として弱いかなとは思ったが、懸念が的中して追い比べからは早々に脱落した。底力が足りない感じの負け方だったので、次も狙いづらい。

日曜日のフローラステークスは、ホウオウパフュームが最終的には単勝2.1倍という圧倒的な支持を集めた。余裕ある追走ぶりで、直線向いたときは馬群をどうさばいてくるのかと思って見ていたら、さばいて来なかった! 8着の惨敗で秋まで休養だとか。前走の勝ち方は鮮やかでも、相手が弱かっただけなのかもしれない。そういう意味ではソウルスターリング、ファンディーナと似たような敗戦のパターンがまた繰り返されたと言える。

もう1頭の注目馬、ザクイーンも5番人気という穴人気。そこそこいい位置につけていたので、さあどうやって抜けてくるかと期待して見ていたら、あっさりもう1頭の白い帽子と入れ替わってしまった。その勝った1番モズカッチャンは最近活躍が目立つハービンジャー産駒。重厚というより鈍重なイメージの種牡馬だが、そういうのが来るのが最近のトレンドなのか。

第52回サンケイスポーツ賞フローラステークスの予想

オークストライアルの東京芝2000mに18頭。

5番ホウオウパフュームが1番人気になるとは思ってなかった。しかし強いのはこの馬だろう。前走の寒竹賞は最後方から突き抜けたレースぶりも強かったし、2分1秒5という勝ちタイムは翌日の古馬1000万下のブラックバゴ2分2秒3を上回る。権利は取るだろう。

人気薄の馬の中では、2番ザクイーンに注目している。前走の未勝利戦では、緩みのない平均ペースを好位からあっさり突き抜けて阪神芝1800mを1分47秒9という好時計。前日の3歳牝馬限定500万下君子蘭賞のカワキタエンカ1分48秒9は上回っており、同じ日の毎日杯には及ばないが、高く評価できるものと思う。シャケトラの妹で、父がヴィクトワールピサに替わっており高速馬場に対応できるかという不安はあるが、この舞台は重厚な欧州血統を持つ馬が活躍してきたようなのでむしろ期待できるかもしれない。単複と、ホウオウパフュームとのワイドを買っておこう。

2回東京1日9R新緑賞の予想

府中の芝2300mという珍しい条件のレース。新緑賞で思い出すのはリアルバースデー。ダービー2着、菊花賞3着などクラシックでも活躍したのに主な勝ち鞍は新緑賞(400万下)という善戦マン。故森田芳光監督が一口馬主だった。近年でもカフジプリンスやハギノハイブリッドなどクラシックでの数々の脇役級が輩出しているレースだ。

今年は12頭立て。 12番レジェンドセラーが人気だが、前走でダートを使って大敗しているのが気に食わない。 条件は1989年当時とは違うがリアルバースデーと同じく山吹賞3着から臨んでいる10番アサギリジョーは、新馬・未勝利で府中の1800m, 2000mを使い2着・1着の好成績。前走では早めに抜け出して末が甘くなったが、府中では粘れる……か?

この辺が人気なら、前走のアザレア賞でも狙った7番エンドゲームをもう一度買いたい。スローペースを最初は2番手で先行したのに粘れず4着で上位とはかなり着差があったが、直線で併せ馬になったエテレインミノルを競り落としたという好材料もある。単複と、ワイドの相手はゆりかもめ賞で惜しかった2番ウインイクシードとアサギリジョー

皐月賞の反省

なかなか見ごたえのあるレースになった。1分57秒8はコースレコードタイ、皐月賞レコード。 勝ったのは、最終オッズでも9番人気と過小評価されていたアルアイン。3コーナーではズルズル後退するような場面もあったのに、ペルシアンナイトとの4コーナーからの長いせめぎ合いを制したのは見事だった。

ペルシアンナイトは向こう正面でインコースからポジションを上げていって、厳しいペースを作り出したように見えた。ホームストレッチで内に進路をとって一旦先頭に立った時は単勝をゲットしたと思ったが……。

着外に落ちた経験の少ないメンバーが揃った中で、ダンビュライトがここまで好走するとは思わなかったな。ファンディーナはハイペースに巻き込まれた格好で、やっぱりこれまで厳しいレースを経験してなかったのが応えたのだろうか。

馬券は、アウトライアーズ・ペルシアンナイト・ファンディーナ・アルアインの4頭でワイドのボックスを買ってあって、ちょい浮きだったが、これに重ねて馬連を買っておくという手もあったな、と終わってから思ったことであった。

第77回皐月賞の予想

今年の皐月賞は、どこからでも狙えそうなメンバー構成になった。唯一の牝馬である8番ファンディーナが前日の夜の時点ではけっこうな人気を集めているが、牝馬であることを別にしても、無敗でクラシック本番を迎えた馬の意外な脆さは先週の桜花賞で実感したばかりである。少なくとも単勝で勝負するような存在ではないと考えるべきだろう。

これまでの勝ち時計やレースぶりからみて、単勝を買って悔いのない馬を探すことにする。

まず目を引くのが、9番プラチナヴォイスの京都1800mでの未勝利戦を勝ったときのタイムだ。1分45秒9は2歳レコードで、同開催では1000万下が2鞍、1600万下とオープン特別がそれぞれ1鞍組まれていたが、いずれも1分46秒台であり、すべてを上回っているというすごさ。もっとも、その後の同じ舞台で萩ステークス1分49秒2、きさらぎ賞1分50秒6(4着)と、だんだん走破時計が悪くなっているのだが……。潜在能力が一級品であることは間違いないだろう。

ほかに、11番アルアイン阪神1800m毎日杯1分46秒5は、先日アザレア賞を勝ったアドミラブルの未勝利戦での1分45秒8には劣るが、これも古馬オープン特別の大阪城ステークスでのアストラエンブレム1分47秒1を上回る優秀なもの。レベルが高かったと思っている昨年末の阪神1600m千両賞勝ちも高く評価できるし、9番人気というのは過小評価だろうと思う。

ほかに魅力を感じたのは、7番ペルシアンナイト。アイビーSでの引っかかりぶりを見て、その次のこうやまき賞では評価を下げたが強い勝ち方だった。前走のアーリントンカップが圧倒的で、直線を向いてからの加速は昨年2着のマカヒキの瞬発力を思わせた。勝ち時計1分34秒1も、同日の古馬1000万下丹波特別のピンストライプ1分35秒0を1秒近く上回っており、高く評価できる。1800mまでの経験しかないのがネックだが、前走はアイビーSの時からずいぶん成長したのを感じるレースぶりだったし、特に距離の壁みたいなものはなさそうだった。単勝を買いたいのはこの馬。

この3頭でワイドを買っておけば十分かな。プラチナヴォイスは外してウインブライトでもいいかな……。

桜花賞の反省

うわさによるとアドマイヤミヤビはゲート内でうんこしていた瞬間にスタートを切られて機嫌を損ねたのが敗因だそうで……だからあんなに行きっぷりが悪かったのか……。まあ、生き物だからこういうこともあるよね。

レーヌミノルにしてもリスグラシューにしても、ケチなので買い目に入れてなかったけど、見限るのは早すぎたということなんだろうなあ。状況としてはレッツゴードンキが勝ったときのパターンに似てる。

ワキタエンカが逃げて0秒6差の7着に健闘したのが救いだった。逆にソウルスターリングはもうちょっと早めに前を捕まえに行った方がよかったんじゃないかなあ。そうしていれば今日の馬場ではカラクレナイにも差し込まれていたかもしれないが。