悔いのない馬券を

競馬予想の思考過程の備忘録として

第77回桜花賞の予想

近年は馬主の冠名を含む馬名が少なくなった。昔は冠名という慣習が田舎くさくてイヤだったが、といってヴゼットジョリーみたいなのは凝りすぎの感があってそんなに好きではない。今年の3歳では、コスモスが冠名コスモに本体スという説があるが、桜花賞に抽選に漏れてニュージーランドトロフィーに回ったスズカゼも一瞬冠名スズカ+本体ゼと思うよね(思わない)。

桜花賞に出走を予定していた(取消になったサロニカを含む)18頭のうち、冠名があるのは10番レーヌミノル、15番アドマイヤミヤビ、18番カワキタエンカの3頭だけ。ここ5年の3着までに入った馬のうち、冠名を持っていたのは2013年レッドオーヴァル、2014年レッドリヴェール東京ホースレーシング勢(と大魔神の2012年ヴィルシーナ。ヴを冠名と考えればね)のみ。いずれも2着だというのがおもしろいところだ。

冠名という慣習の衰退はもちろん社台系の一人勝ちによるところが大きいが、社台系とひとくくりにするのはもう現状に合わないのかもしれない。吉田照哉社台ファームと、吉田勝己ノーザンファームがしのぎを削っているというか、兄の照哉が弟の勝己に押されているのが現状だろう。今年の3歳はここまでソウルスターリングなどのがんばりで社台ファームも盛り返しているような印象を持たれているが、クラシック本番ではどうだろう。

14番ソウルスターリングはこれまで完璧なレースぶり。前走のチューリップ賞は勝ち時計1分33秒2も翌日の1600万下武庫川ステークスのタイセイサミット1分33秒1に肉薄する優秀なもの。桜花賞チューリップ賞からの直行組がローテーションからも断然有利だから、単勝1倍台でも驚けないとは思っていたが、前日夜の時点で1.1倍というのはさすがに驚いた。

対するアドマイヤミヤビのほうも、前走クイーンカップの勝ち時計はチューリップ賞と全く同じ1分33秒2で、こちらは翌日の古馬1000万下ペガサスボス1分35秒0を大きく上回る。1600万下のレースが組まれていなかったので単純な比較はできないが、こちらのほうが上かもしれない。少なくとも、10回走って1回しか勝てないほどの差はないはずだ。したがって、馬連は14-15で問題ないとしても、単勝はアドマイヤミヤビを買っておきたい。

3着候補としては、クイーンカップを高く評価すれば12番アエロリット、それを破った実績のある2番ライジングリーズン、ハイレベルの千両賞とチューリップ賞でも先行勢の中ではがんばっていたカワキタエンカあたりを考えておきたい。3連単も買っておくか。

アザレア賞の反省

アザレア賞は人気3頭が上位3着までを占める結果になった。3着に入ったのは、前走は恵まれての2着とみて軽視した3番人気のエーティーラッセンで、保険をかけたつもりの3連複が外れてしまって馬券はトントンに。

アドミラブルは結局単勝1.9倍の1番人気になったので単勝は買わなかった。はじめ後方にいたが、あまりにもペースが緩いので向こう正面で早くも2番手に上がり直線入り口で先頭に並びかけ、最後は3馬身差をつける圧勝。青葉賞を勝てるだけの力はあるところを見せるレースぶりだったと思うが、今回の時計は2400mを2分30秒0とあまりよくない。翌日の1600万下で同じ距離の御堂筋ステークスも少頭数のスローペースで、2ハロン目12秒7、3ハロン目に至っては14秒1と調教のようなペースだったけど、アルターの勝ち時計は2分28秒0だった。これでも十分遅いが。今年のアザレア賞はレベルに疑問符がつく。

2回阪神3日9Rアザレア賞の予想

阪神芝2400mの3歳戦で、一昨年はレーヴミストラル、昨年はヴァンキッシュランが勝ってその勢いで青葉賞も勝ったレース。ダービーでは足りないが青葉賞なら通用しそうな馬を探せばいいわけだ。

しかし2番アドマイヤロブソンと3番アドミラブルのどちらもその資格がありそうに見える。

アドマイヤロブソンは前走の未勝利戦の最後の直線でいったん並びかけられそうになったのをまた突き放したレースぶりは強そうだし、アドミラブルの前走は阪神芝1800mで1分45秒8という破格の時計を叩き出している。これは同日の古馬オープン特別大阪城ステークスのアストラエンブレム1分47秒1を上回る。持ち時計の通りに走ればアドミラブルの圧勝だろうが、そうはいかないのが競馬。

ところでアドマイヤの馬主近藤利一氏とアドミラブルの馬主近藤英子氏は夫婦だったはずだが、あえてこのダービーに向けて賞金加算の面で大事な500万特別にぶつけたのはどういうことなんだろう。噂通り離婚したのか。

血統的には、3代母がバレークイーンフサイチコンコルドの母)で近親にリンカーンやヴィクトリーがいるアドミラブルのほうが好みだ。人気次第だけど単勝はこっちを買うつもり。

8頭立てと少ないので、馬連よりも3連複で保険を掛けたい。3頭目は、5番スパークルメノウ、6番エテレインミノル、7番エンドゲームでいいだろう。中でもエンドゲームはクラリティスカイの弟で、上のクラスまで行ける可能性は高いと思う。前走は未勝利を脱した直後の重賞ホープフルステークスへの挑戦で大敗しているが、その未勝利戦はなかなか強い勝ち方だった。その時のタイムが福島の芝2000m稍重で2分2秒9。これは同日の古馬500万三春駒特別ウインテンダネス2分3秒1を上回る。成長力がどんなものかにもよるが、割って入る可能性なきにしもあらずというところ。

日経賞と毎日杯の反省

日経賞ゴールドアクターは5着止まり。シャケトラとの馬連を持っていたので、直線では完全にいただきだと思ったら伸びなかったのはグランプリホースの方だった。去年より調子がいいんじゃなかったのかよ……。シャケトラの単勝も買っておくべきだった。

千両賞3着のカワキタエンカが今日の阪神9R君子蘭賞で逃げ切り勝ちを収め、千両賞組のレベルの高さが実証されたと思った。そこで毎日杯アルアインとサトノアーサーの馬連を追加しようとしたが、現地でパドックを見ていた人たちから「アルアインは太い」という情報がTwitterに流れてきた。というわけでアルアインからガンサリュートに変更。しかし結果はアルアインが勝ってサトノアーサーは半馬身差の2着。トラスト5着、ガンサリュート7着。うまくいかないものだ。やはり非パドック派らしく、近走の成績を重視して買うべきだった。悔いが残らない買い方をしないと。

第64回毎日杯の予想

池江厩舎の素質馬サトノアーサーが人気。前走のきさらぎ賞は道悪に泣いたようだが、最後にダンビュライトを差した脚はさすがだった。

同じ厩舎のアルアインシンザン記念で道悪だけでなく直線でも不利があって6着止まりだったが、その前の千両賞は底力を要求される厳しいレースだったと思う。距離が延びても大丈夫。

他には、シンザン記念ではアルアインに先着し、JRAの重賞を勝った実績のあるトラストと、未勝利明けでいきなり重賞の京成杯2着のガンサリュートが強いだろう。この4頭のボックスを買えば当たるのでは。簡単すぎかな……。

第65回日経賞の予想

ゴールドアクターの今年の始動戦になった。去年もこの馬から買ったはずだけど的中したかどうか覚えていない……。今年も、先の有馬記念で小差の3着だったから軸は不動だろう。

4歳の一線級、皐月賞ディーマジェスティ菊花賞2着馬レインボーライン古馬になって充実してきたシャケトラ、ミライヘノツバサ、ジュンヴァルカンといったところがどれだけの走りを見せるかに注目している。ここらあたりで上位に食い込む馬が出てきて、世代交代が騒がれるようになってもおかしくないはずだ。

中でも注目しているのが、8番ジュンヴァルカン。シャケトラとミライヘノツバサは重賞でも上位に来る力があるところを見せたが、ジュンヴァルカンはまだ菊花賞(10着)しか経験がない。前走が1600万下で楽勝だったので、重賞でも通用すると思うが、いきなりでどうだろう。純粋に興味があるという意味で注目している。

ディーマジェスティ菊花賞ジャパンカップでの走りが本調子を欠いているようだったし、蛯名も絶不調なので今回は買わない。

しかし馬券を買うのは、これら4歳勢ではなく、5歳の5番ナスノセイカンなのだった。前走の金鯱賞でも左回りが得意だという理由で複勝を買っていて、前が詰まって4着という悔しい結果だったのでもう一度狙うだけなのだが、成績を見てみると思ったほど左回りに特化した馬ではない。中山では未勝利を脱出したし、5着が3回あり、初重賞のAJCCも0秒7差の6着でまずまず。府中や新潟で見せた目の覚めるような末脚を中山で見せたことはないようだけど、3着なら可能性はあると思う。中山での重賞の実績という面ではミライヘノツバサやツクバアズマオーが上だが、未知の魅力でこちらを選びたい。

第31回フラワーカップの予想

スプリングステークスは結局ひいらぎ賞の上位2頭が入れ替わる決着でウインブライトが勝った。ウインブライトに目をつけたのはよかったが、やっぱり目移りしてしまった挙句ワイドのボックスなんて買ってしまったのでトリガミ。プラチナヴォイスはブリンカーを装着するという情報があったのに軽視したのが敗因。まあ、ブリンカーつけてても内に刺さってはいたが……。

しかしウインブライトは次も狙えるんじゃないかな。ミスブゼンに遡る牝系は、80年代後半から90年代にかけて、オークスコスモドリーム阪神3歳ステークスのラッキーゲランエリザベス女王杯2着のヤマフリアルやナリタブライアンと同期のヤシマソブリンなどの活躍馬を輩出してきた。近年ではハクサンムーンもこの系統。

さて、フラワーカップはトライアルレースでもないのに後の活躍馬を多く出している。今年も、2戦2勝の12番ファンディーナと5番デアレガーロに注目が集まっている。しかし狙いたいのは、京成杯でも注目した4番サンティール。未勝利を脱して最初のレースが牡馬も混じる重賞で、不利ありながら0秒4差だから上出来。ファンディーナは大物の雰囲気が漂うが今回は外枠だし、デアレガーロは前走がそんなに強い勝ち方に見えなかった。1番ディーパワンサや10番ハナレイムーンも人気だけど重賞では少し足りない感じだし、この辺とは遜色ないだろう。同じ1勝馬だけど前走がしぶとかった8番ドロウアカードとともに注目したい。