悔いのない馬券を

競馬予想の思考過程の備忘録として

2回東京5日11Rプリンシパルステークスの予想

一応ダービートライアルだけど、ダービー本番とは関連が薄い東京芝2000mのレース。スピルバーグとかアンビシャスとか、その後の活躍馬はそれなりに出ているから存在意義がないわけじゃないけど。以前は2200mだったのに短縮されたのは、京都新聞杯が2200mになったのとバランスを取るためかもしれないが、ますますダービーを遠ざけているような気がする。

今年は12頭立てで、そのうち半数が(地方競馬所属の馬を含め)JRAでの勝ち星が1勝以下という低調なメンバー。弥生賞でも人気を集めた8番ダイワキャグニーに支持が集中するだろう。ダービーに出てそこそこ勝負になりそうなのはこの馬ぐらいなので、ぜひ勝って優先出走権を得てほしいところ。しかし馬券としての妙味はないので、より人気の薄いところを探したい。

ここ5年間で3頭が馬券圏内に来ている山藤賞から、今年も勝ち馬レッドローゼス(1番)が駒を進めている。と言っても、山藤賞も今年から条件が変わり、200m短縮されて1800mになったので、あてにならないかもしれないが……。その山藤賞のタイム1分48秒9は、前の週の1000万下野島崎特別のトウカイシェーン1分49秒1も、その前の開催の1600万下スピカステークスのワンブレスアウェイ1分49秒0も上回り、2回・3回中山の芝1800mでは4番目の好タイム。これを上回るのは中山記念スプリングステークスフラワーカップでいずれも重賞だから、ここでも十分勝負になると考えていいだろう。勝ちっぷりを見ても、外を回っての楽勝だった。相手は弱かっただろうから、ちょっとホウオウパフュームを思わせるのが難だが……。オッズ次第だが、この馬の単複と、3番エトルディーニュとのワイドを買ってみたい。

青葉賞と天皇賞の反省

まあ、今回は珍しく両方とも予想は的中したので、反省といっても馬券の買い方ぐらいなのだが。

青葉賞はアドミラブルが後方待機から3コーナーを過ぎてまくっていくという予想外の戦法をとったが楽勝。ハロンタイムを見ると最初の12秒5が一番遅くて、2ハロン目から11.2 - 11.8 - 11.8と11秒台が連続するハイペース。勝ちタイムは2分23秒6で、日曜の古馬1000万下の陣馬特別ウインヴォラーレ2分25秒9より2秒以上速い。相当の器だと考えるべきだろう。ダービーを勝てるとは限らないが。

期待したアドマイヤウイナーはよく追いすがったが、なんとかポポカテペトルを差して3着。ダービーの権利は取れなかった。複勝とワイドが的中。

天皇賞は、水曜日に書いた通りの厳しいペースキタサンブラックが(というよりヤマカツライデンが)作り、後続を完璧に封じた。スタートからの7ハロンが12.9 - 11.5 - 11.2 - 11.3 - 11.4 - 11.6 - 11.6と、短距離のレースかと思うようなハイペース。1200m通過が1分9秒9、1400mが1分21秒5、1600mが1分34秒5である。この驚異的なハイペースを乗り切って3分12秒5のレコード。シュヴァルグランもいいレースをしたと思うが、キタサンブラックが一枚上だった。3連複は結局レインボーラインを買わず、1点だけにした。アドマイヤデウスまさかの激走で肝を冷やしたが、あそこで最後に差すあたりがサトノダイヤモンドさすが最強馬だ。単勝、ワイド、3連複が的中。

シャケトラが出遅れた上に引っかかって9着と初めての大敗を喫した。予想の範囲内ではあったが、ちょっと期待した部分もあったので難しい面を出してしまったのは残念だ。

第155回天皇賞(春)の予想(前日版)

枠順はキタサンブラックが3番、サトノダイヤモンドが15番と2強が内外に分かれた。内枠有利とされながらも前日売りで単勝1番人気に推されているのはサトノダイヤモンドのほうで、競馬ファンの見識の高さを感じる。

しかし、水曜日の時点での予想を変える必要は感じないので、キタサンブラック単勝で勝負するつもり。

ただし、2強で決まったとしても馬券の対象は必ずもう1頭いる。それを見つけたい。

水曜日には、メジロマックイーントウカイテイオーのことを書いたが、ナリタブライアンマヤノトップガンの2強対決という年もあった。1996年だ。この時もやはり両雄並び立たずで、勝ったのはこの2頭ではなくサクラローレル。今回これに近い存在はシャケトラだが、日経新春杯日経賞はともにロスの多い不安定な競馬で、素質だけでここまで来た印象。3200mのG1を同じように走っては乗り切れないだろう。前走は「近くにゲート入りの悪い馬がいてその様子にイライラしていた」という情報があり、今回は1番なので真っ先にゲートに入らなければならないという不安材料もある。これで好走したらすごい馬だけど……。

といって他に勝負づけがまだ済んでいない新星も見当たらない。

となると、3番手候補のうちどれかを選ぶしかない。日経賞のレースぶりからは10番アドマイヤデウスが狙えそうだが、どういうわけかG1になるとまったく歯が立たず、最高着順が天皇賞(秋)でのモーリスの6着。買えない。

あるいは16番レインボーライン菊花賞で2着だからコースも距離も向くだろう。買わない理由はないのでは。

あと6番シュヴァルグラン。こちらは単勝4番人気なので買いづらいが、過去5年間で3着以内に来たのべ15頭のうち6頭を占めるハーツクライ産駒。去年も3着だし、外しづらい。 ほかにアルバートとか、復活を期すゴールドアクターディーマジェスティなどもいるが、あまり手を広げては的中しても利益が出ない恐れがあるので、3連複はレインボーラインシュヴァルグランに絞りたい。

特にアルバートは迷うところ。ペルースポートにさかのぼる有力な牝系で、平出貴昭『覚えておきたい日本の牝系100』では「“G1まであと少し”の社台牝系」とされていて、ラブリーデイが出たので続々と壁を破る馬が出てくるかもしれないという気もするが、G1はこれまで3戦していずれも着外なので今回もチャンスは薄いだろうと思った。

第24回テレビ東京杯青葉賞の予想(前日版)

昨日書いたように6番アドマイヤウイナーに期待する。あと、人気でも10番アドミラブルは外せないだろう。アゼリア賞と同じく、(元)夫婦馬主の対決になる。

前走でオープン特別や重賞に出ていた馬は、ここ5年で馬券になったのは2014年の3着ヤマノウィザード(すみれステークス7着)と2012年の勝者フェノーメノ弥生賞6着)だけ。今年は京成杯3着の7番マイネルスフェーン、若葉ステークス7着の8番タガノアシュラ、弥生賞4着の9番ベストアプローチ、スプリングステークス5着の11番トリコロールブルーと4頭いるが、どれも一長一短あるけど3着なら来てもおかしくない感じ。展開の利を受けそうなタガノアシュラが狙い目かな。

3連単で大きな配当を狙おうと思っていろいろ考えたが、絞りきれないのでやっぱり昨日の予想の通りアドマイヤウイナーの複勝とアドミラブルとのワイドを買っておくことにする。

第24回テレビ東京杯青葉賞の予想(枠順決定前)

ダービー本番に結びつかないことで有名なダービートライアル。例によってJRA公式サイトでのデータ分析を参考にする。

そこで示されている条件は次の通り。

  • 前走で1・2番人気
  • 過去4走で2勝以上
  • 過去3走以内で芝2000m以上に3回または2回出走
  • 前走で芝2200m以上の500万下で3着以内

これらすべてに当てはまるのが、ゆりかもめ賞の勝者ダノンキングダム。 3つ当てはまるのが、アドマイヤウイナー(大寒桜賞)、アドミラブル(アザレア賞)、イブキ(水仙賞)、ポポカテペトルゆきやなぎ賞)の4頭。どれもダービー本番では凡走しそうで、逆に言うとここではチャンスがありそうなイメージ。

以上の5頭が通過した500万下のレースの頭数は、水仙賞の10頭が最多で、あとはすべて8頭立てだった。少頭数でゆるい流れのレースが多かったわけだ。今年のクラシック戦線は勢力が分散しているのと、そのこととも関連するがきつい流れを経験する機会があまりなく、結果として弱い相手に鮮やかな勝ち方をして人気を集めた馬がころっと負けるという傾向があるように思う。青葉賞も、大きな着差をつけて圧勝したことのあるアドミラブルが人気になりそうだが、厳しいレースを経験していない以上、ここで苦戦してもおかしくない。

ただし、アドマイヤウイナーが勝った大寒桜賞は少し様相を異にするかもしれない。1ハロン12秒前後のゆるみのないペースで大逃げを打ったブラックジェイドを自らつかまえに行って差し切り、3着以下には5馬身以上の差をつけたもの。こういう勝ち方ができる馬は強い。勝ち時計2分13秒6は、同日の古馬500万下フォンスの2分15秒2や翌日の古馬1000万下熊野特別パフォーマプロミスの2分15秒9を大きく上回って優秀。大寒桜賞の勝ち馬はこれまで4年連続して青葉賞で3着以内に入っている。今年も期待できそうだ。複勝なら万全か。

第155回天皇賞(春)の予想(枠順決定前)

キタサンブラックサトノダイヤモンドの2強対決ムード。キタサンブラックが勝つだろうと思う。

1992年のメジロマックイーントウカイテイオーのときに似た雰囲気を感じる。ただし大きく違うのは、有馬記念ですでに一度対戦していることだ。サトノダイヤモンドが勝ったが、同じ馬主のサトノノブレスによるアシストも(どれだけ効果があったかはやや疑問も残るが)あり、斤量差もあったから……とするのが常識的な見解。

ほかに目につく点としては、有馬記念のペース。ハロン(200m)ごとのスプリットでみて6,7,8番目すなわちスタートして900mから1500mまでで(通常は200mごとのハロンタイムがJRA公式サイトに掲出されるが、有馬記念は2500mなので最初のスプリットは100mと特殊な分け方になる)13秒4,12秒8,12秒9とかなり遅い地帯が出現していることだ。これに対してキタサンブラックが勝った昨年の天皇賞(春)では、1ハロン13秒以上を記録したのは最初の1ハロンだけで、次いで遅いのが8ハロン目の12秒9だった。後ろの馬に「脚を使わせる」ことが非常にうまいのだろう。キタサンブラックに対して後方から出し抜けを食わせることに成功した馬がここまでほぼ皆無だという事実もこれを裏付ける。

キタサンブラックがゆるみのないペースを続けてサトノダイヤモンドに脚を使わせることができれば、追いつけずにキタサンブラックの勝ち。途中でゆるんで差を詰めることができればサトノダイヤモンドの勝機が広がる。ということになりそう。

で、どちらの蓋然性が高いかというと……わからない。京都競馬場で3200mという条件なら、やはりキタサンブラックのほうが有利じゃないかなあ、という曖昧な根拠で冒頭の結論になる。

これを後押しするのが,JRA公式サイトに出ている過去の傾向

過去3走における芝2400m以上のレースでの最低着順別に成績を調べると…(中略)…「1着」だった馬は9頭が該当したものの優勝がなく3着以内に入ったのも1頭のみと苦戦気味

とのこと。連勝を続けているからといってここでも勝てるとは限らないわけだ。1番人気の不振というよく知られたジンクスも、これに起因するのかもしれない。

2回東京1日・2日の反省

土曜日の3歳500万下芝2300mの新緑賞は、6番人気の大野騎乗ビービーガウディが差し切り勝ち。スローでほぼ均一のペースだったから、長くいい脚を使えた馬が勝ったのだろう。狙ったエンドゲームは好位の外目から。エテレインミノルを競り落とした程度では強調材料として弱いかなとは思ったが、懸念が的中して追い比べからは早々に脱落した。底力が足りない感じの負け方だったので、次も狙いづらい。

日曜日のフローラステークスは、ホウオウパフュームが最終的には単勝2.1倍という圧倒的な支持を集めた。余裕ある追走ぶりで、直線向いたときは馬群をどうさばいてくるのかと思って見ていたら、さばいて来なかった! 8着の惨敗で秋まで休養だとか。前走の勝ち方は鮮やかでも、相手が弱かっただけなのかもしれない。そういう意味ではソウルスターリング、ファンディーナと似たような敗戦のパターンがまた繰り返されたと言える。

もう1頭の注目馬、ザクイーンも5番人気という穴人気。そこそこいい位置につけていたので、さあどうやって抜けてくるかと期待して見ていたら、あっさりもう1頭の白い帽子と入れ替わってしまった。その勝った1番モズカッチャンは最近活躍が目立つハービンジャー産駒。重厚というより鈍重なイメージの種牡馬だが、そういうのが来るのが最近のトレンドなのか。