悔いのない馬券を

競馬予想の思考過程の備忘録として

臨戦過程の話

競馬予想のファクターとして臨戦過程ってけっこう大事なんだな、と思い知らされたのが今年の桜花賞。それまでは、どのステップレースを使うかということより、前のレースでどういうパフォーマンスを見せたかのほうが大事だろうと思っていた。しかし、絶対の本命馬だったメジャーエンブレムの不可解な敗戦の理由づけとして、「春先のデリケートな若い牝馬はフケ(発情期)の影響があってあまり間隔を空けるとよくない」という説を聞いて、それも一理あると感じた。特にクイーンカップから桜花賞というのがよくないのかもしれない。

3歳牡馬の秋はどうだろう。季節も性別も桜花賞とは違うが、菊花賞に最適のあるいは菊花賞に向かない臨戦過程というのはあるのだろうか。

先週末に行われたセントライト記念から菊花賞に臨んだ馬は菊花賞での成績はそれほどよくない。上位3頭までに入ったのは過去5年でキタサンブラック、バンデ、スカイディグニティ、トーセンラーの4頭。トライアルレースとはいっても条件がまったく違うのだから当然かもしれない。それに対して今週末の神戸新聞杯は関連性が強い。毎年2頭は神戸新聞杯組である。ということは、このレースでじっくり見きわめておいて、本番で大きく勝負すればいいわけだ。しかし、このレースも取って資金稼ぎをしておきたいというあさましい根性のほうが勝ってしまう……。

過去5年で神戸新聞杯において3着以内に入った馬で、8月か9月にレースを使っていたのは、トーホウジャッカルサトノノブレスしかいない。その一方で、菊花賞3着以内に入った馬で、セントライト記念神戸新聞杯を除いて8月か9月にレースを使っていたのは、上記2頭に加えてゴールドアクター、バンデ(8月に500万、セントライト記念の後に1000万下を使っている)、スカイディグニティの3頭ふえる。いわゆる夏の上がり馬というのは、トライアルを使っても必ずしも上位に来る可能性は高くないってこと? 菊花賞で求められるタフさというのは、神戸新聞杯で求められる完成度の高さとはまた別なのかもしれない。