悔いのない馬券を

競馬予想の思考過程の備忘録として

第78回皐月賞の予想

競馬の格言で「皐月賞は速い馬が、ダービーは運のいい馬が、菊花賞は強い馬が勝つ」というのがある。こういう一見もっともらしい言葉に惑わされてはいけないと思う。それぞれのレースの特性とかそれへの適性といったものはおそらく存在するのだろうが、そういうものを第一に考えるよりは、今回の舞台ではどの馬が強いのかを見抜くことを優先すべきだろう。

ダノンプレミアムが離脱して主役がいなくなった皐月賞。同馬と対戦がなかった馬や、同馬以外には負けていない馬との力関係をはかるのが難しくなった。さらにこの天気。強い馬が勝つとは限らない状況になったのかもしれないが、馬場がかなり悪かった去年の秋のG1戦線でも結局は強い馬が勝ったようなので、実力を見極めれば大丈夫だと思うことにしよう。

ダノンプレミアム以外には負けていない2頭、ワグネリアンとステルヴィオは1枠と8枠という対照的な枠になった。この2頭の比較ではワグネリアンを上に見たい。ステルヴィオがダノンに負けた2戦は、いずれもレースの勝負が済んだところで後ろから飛んできた。こういうタイプの差し馬は人気が先行しがちだ。前走は相手が弱かったので間に合ったが、相手が強くなれば同じ脚を使うのは難しいだろう。レースへの参加度合いを比較するとワグネリアンが上だし、東スポ杯2歳ステークスの勝ち時計も優秀、重馬場も一応経験している。内枠で鞍上に福永というのは確かに不利な材料だけど、2000mの間ずっと蓋されたままということもないだろう。ドゥラメンテだって同じ2番からスタートしたのに4コーナーで外に持ち出して勝っている(そのとき他馬を弾き飛ばしたけど……)。野路菊ステークスの時の脚を使えばこの顔ぶれなら一枚上と思える。単勝

ダノンプレミアムと未対戦組の中では、タイムフライヤー。昨年秋の3戦のレースぶりはどれもよかった。その疲れがとれているのかどうかは気がかりだが、前走若葉ステークスの最後の直線で見せた脚は悲観するようなものでもなかった。その秋3戦はレーティング上げ底の疑いがあるG1ホープフルステークスを含め、レースのレベルはそんなに高くなかったようにも思うが、この馬の実力自体は一定レベルには達していると思う。

前走での敗戦で評価を落としている馬としてもう1頭注目しているのが、タイムフライヤーを破ったことのあるグレイル。前走の共同通信杯ではほとんどレースに参加していない感じだったが、まともに走ればかなり強いんじゃないだろうか。

ワグネリアンからこの2頭へのワイド。

第78回桜花賞の予想

桜花賞で圧倒的な支持を集めた女王候補は近年で何頭もいて、そのうち前評判に応えて1着になったのはハープスターぐらい。今年のラッキーライラックも、これまでに見せつけてきた強さからいって単勝2倍前後になるのは妥当などころだろうけど、期待値からみて単勝に資金を投じるのは得策ではないだろう。WIN5では買い目に入れるべきだろうし、松永幹夫調教師と石橋脩騎手の男前コンビが桜花賞をとる場面を見てみたいという気持ちはあるけど……。

打倒2歳女王一番手と目されているのはアーモンドアイか。シンザン記念ではとても届きそうにない位置から差してきて、しかも2馬身近くもちぎったのには驚かされた。しかし勝ち時計は馬場を考えても大したことないし、この時に破った相手もその後活躍できていないことから、レベル自体が低かったと判断してもよいだろう。

勝負付けが済んだと考えられてきた馬が本番で逆転を果たした例もあることを思えば、それらからラッキーライラックへの馬単というのが、可能性と配当とのバランスから一番いいのではないか。すなわち、リリーノーブルからラッキーライラック、マウレアからラッキーライラック馬単2点。

2018年3月25日WIN5予想

WIN5という馬券、まだ当たったことはないけど配当の高さに惹かれて時々は買っている。個別のレースに対する予想とは違う視点で買い目を選ぶことになるのでおもしろい。5つのレースで人気薄ばかりが来ることはまずないが、2番人気以内ばかりで決着することも少ない。本命サイドに傾きがちな自分の場合、個々のレースを検討するときには切り捨てるような馬もどこかに入れておかないと当たらない感じ。

貧乏人にとって馬券を買うことは、可能性を切り捨てること。その確信を得るために一生懸命検討するわけだ。その結果切り捨てた方が来て悔しい思いをすることも多々ある。資金力があれば切り捨てる部分も少なくてすみ、的中の可能性は高まるだろう。それがより顕著に現れるのがWIN5ではないか。

と、想像している。

当てたことがないのでわからないが。

堅めのレースと思われるときには買い目を絞り、荒れるレースは手広く、というのが基本だと思う。今回は全通り買えば28万5120点。堅いレースが多いように見えるが、実力が拮抗しているレースもあるし、絞るのは難しいだろう。しかしまあ、どうせ5点をいっぺんに当てるのは難しいわけだから、買い目に選んだ穴馬の中から個別の単勝複勝も買ってみるというスタンスでいいのかもしれない。

美浦ステークス

中山の1600万下芝2000m別定戦。レッドローゼスが人気、500万山藤賞を勝ったときの印象が強いが、最近は案外勝負弱いところを見せていてここでも1着が確実とは言いづらい。ほかにも強い馬がいて意外に難しい。昇級初戦で上位に来ているインヘリットデールと昇級初戦になるが前走が強い勝ち方だったサーブルオールぐらいか。スティッフェリオあたりも有力。

熊野特別

中京の1000万下芝2200mの別定戦。前走圧勝しているブラックジェイドでいいだろう。

六甲ステークス

阪神のオープン特別芝1600m戦。重賞勝ち馬のロジクライ以外は重賞では一歩足りない手薄なメンバー。グァンチャーレがオープン特別での上位常連だけど勝つのは別の馬だろう。ハクサンルドルフもオープンでは信頼が置けない。阪神1400mで勝ちがあるオールザゴーはどうだろう。あと、このコースで3勝を挙げているバンドワゴン。

マーチステークス

中山のダート1800mG3のハンデ戦。ハイランドピークが人気だけど昇級で勝った馬がいないというデータは気になる。条件に合うのはアルタイルだが鞍上の田中勝春が重賞を最後に勝ったのは2015年だ。でもまあ手を広げ出すときりがないのでこの2頭に絞ろう。

高松宮記念

レッドファルクスのほか、香港のブリザードは昨年のスプリンターズステークスでも5着に好走しており、人気もあまりないので単複も買っておこう。あとは前走が強かったファインニードルも気になる。

以上、美浦ステークス次第だがここを1点に絞れば12点。これでよし。

第65回毎日杯の予想

キズナアルアインがステップにしてクラシックを制したレースに、今年は10頭立てながら2戦2勝馬が3頭集まって興味深いレース。ただし、過去のこのレースでの好走馬は、500万下の特別レースを勝って臨んだ重賞では一歩足らず再挑戦というパターンが多かった。前走が重賞という馬は今年は出ておらず、オープン特別の若駒ステークスの2着馬マイハートビートと3着テイエムディランが近いぐらいか。

これまでのレースぶりを見て、一番強そうなのはブラストワンピース。前走のゆりかもめ賞では他馬を弾き飛ばして抜け出してから差を広げる一方という完勝。勝ち時計も前日の古馬1000万下とは0秒6差しか違わず優秀。素直にこれの単勝を買っておけばいいかな。付け加えるとすればマイハートビートとのワイド。

第66回日経賞の予想

海外でNikkeiといえば日本経済新聞でもなく同紙を発行している新聞社でもなく日経平均を指す。日経平均が前日比974円も下げた翌日に行われる日経賞はどういう結果になるだろうか。とりあえず3連単の974は記念馬券として買っておこう。

この後天皇賞へと向かう一流馬の脚慣らしとして使われるレースで、条件戦を勝った上がり馬が上位にくる例は、少なくともここ5年まったくない。しかし今年の出走馬を見ると、例年は好走するローテーション筆頭である前走有馬記念組がいなくて、前走G1というのも香港ヴァーズの2頭(トーセンバジルとキセキ)のみ。日経新春杯から臨む馬もよく好走しているが、これも今年はロードヴァンドールのみ。これまでにないパターンの馬が来るのではないか。

というわけで狙ってみたいのは6番ノーブルマーズ。中山では2戦して、前走の1600万下2200m迎春ステークスを圧勝、4歳時はセントライト記念に挑戦してディーマジェスティから0秒5差の5着だから比較的相性がいい。持ちタイムから見て一線級との対戦で通用するかどうかは微妙かもしれないが、人気もなさそうなので複勝を買ってみる価値はありそう。

しかし本命はガンコ。芝に替わってのここ3戦の充実ぶりは本物の実力の証だろう。障害の練習に取り組んだ効果らしいが、荒れた馬場で前に行けるのはいい。昨年の覇者シャケトラと同じく母の父がシングスピールというのも心強い。日経新春杯の時と同じくロードヴァンドールが引っ張る流れに乗っていけば上位に来るはず。

第52回 小倉大賞典の予想

ここ5年ずっと馬券圏内に来ているディープインパクト産駒が今年はケイティープライドのみ。人気薄でも上位に来ることがあるので要注意だが、この馬に関しては若いときは小倉での好走割合が高かったのに、小倉での近2走は2桁着順。前走も先行したがあまりいいところがなかった。ここは軽視したい。

小倉に良績のある馬というと、2戦2勝のマサハヤドリーム、1勝2着1回で連対率100%のトリオンフ、3戦2勝のダノンメジャーあたり。この中ではマサハヤドリームに魅力を感じる。8月の博多ステークスではトップハンデの55kgを背負い、外目を徐々に進出して直線でプリメラアスール以下を2馬身突き放す完勝。それからの3戦は重賞で着外が続いているが、前走の京都金杯ではマイル戦のスピードを追走するのに苦労しながらも内から伸びそうなところを見せ、0秒4差と健闘した。単複と、ワイドをスズカデヴィアスとトリオンフへ流す。

第53回京都牝馬ステークスの予想

ここに出る馬のこの後の目標は1200mの高松宮記念か1600mのヴィクトリアマイル。有力馬のソルヴェイグは前者、ミスパンテールは後者だろう。

狙ってみたいのは10番デアレガーロ。今の条件になってからまだ2回しか施行されていないが、その2回とも前走から距離短縮で臨んだ馬が勝っている。今回は5頭いるが、このうち前走のレベルが高かったのはデアレガーロだろうと思う。中山での1600万下だが、勝ちタイムは重賞のターコイズステークスを上回り開催ナンバーワンだし、レースのラップも最初の1ハロンを除いてすべて11秒台というゆるみのないペースで、展開に恵まれた面はあったにせよしっかり追走して外からいい脚を長く使っていた。負かした相手もクリアザトラック、ヴェネト、ヒーズインラブなどオープン入り目前と思える顔ぶれがそろっていた。この激戦の後で勝ち星を挙げた馬がダートでのルグランフリソンしかいないのは不安材料ではあるが。ここで賞金を加算して次に進んでもらいたい。

単勝と、ワイドの相手としてヴゼットジョリー、ミスパンテール。