悔いのない馬券を

競馬予想の思考過程の備忘録として

第22回マーメイドステークスの予想—特異な連動性

日曜日のマーメイドステークスの予想もしておこう。阪神芝2000mで行われる牝馬のハンデ重賞。

かなり特異な傾向を持つレースで、とにかく格下馬の活躍が目立つ。特にローテーション面でも目を引くのが、前走で京都の1600万下パールステークスを使っていた馬。ここ5年の上位15頭のうち、なんと5頭を前走パールS組が占めている。オープンでもない1600万下なのに勝っている必要すらない。昨年のマーメイドS勝ち馬リラヴァティこそパールSを勝っていたが、昨年2着のヒルノマテーラが4着、2015年勝ち馬のシャトーブランシュ4着、2014年勝ち馬のディアデラマドレ2着、2012年3着のメルヴェイユドールなんか7着である。どうなっているんだ。

今年の出走馬のうち前走でパールSを使っていたのは4頭いる。この中のどれかは3分の1の確率で馬券になるわけだ(ん、何か変だな……)。

となると、狙いは8番ローズウィスパーだろう。前走パールステークスはミエノサクシードから0秒7差の7着。その前は今回と同じ阪神芝2000mでの1000万下四国新聞杯で、素質馬ヴァフラームを退けて、小倉芝2000mからの連勝をキメている。短い直線での追い込みが得意なのかな。四国新聞杯はしんがり追走で届きそうもない位置から差し切った脚が鮮やかだった。うまい具合に進路が開いてラッキーだった面はあるが。ここでも3着以内に入る可能性は十分あると思う。

3回東京3日9R江の島特別の予想

気分転換にブログのタイトル変えてみました。

4歳馬が降級する制度は今年限りかもしれないという話。人気の盲点を拾うタイプの予想がしやすいし、配当に恵まれたこともあったので、存続してほしいなあ。

さて、土曜日の狙いは、9頭と少頭数になったが降級馬もいてやや難解な印象を与える東京1000万下の芝1600m江の島特別。前走で1600万下を走っていた純然たる降級馬は9番ストーミーシーで、5番ベアインマインドと7番キャプテンペリーは前走で1000万下を勝って同じクラスに据え置き。 3歳馬では、ハイレベルだった毎日杯で0秒8差の6着とまずまず好走した8番クリアザトラックが最有力か。この馬は500万下を勝ったのも、後に京都新聞杯を勝つことになるプラチナムバレットを破ってのもの。実力上位だろう。

狙いたいのは3歳馬の2番ロードリベラル。骨折休養明けなのでどこまで仕上がっているかが問題だが、前走は福島の500万下きんもくせい特別で大外を回って強い勝ち方。その前の東京での未勝利戦も、やはり外からいい伸び脚で1600mを1分35秒2という勝ち時計。同日の古馬500万下クラウンディバイダが1分35秒0なので悪くない。なお、前日にあった1000万下の六社特別ロイカバード1分35秒3は上回っているが、これは重馬場なので参考外か。前々日の2歳重賞サウジアラビアロイヤルカップブレスジャーニーが勝って1分34秒5という時計だったが、ロードリベラルの時計はここに入っても3着か4着に来ている計算になる。なかなか優秀だ。仮に今回は勝負にならなかったとしてもこのクラスはいずれ勝てるだろう。単複とクリアザトラックへのワイドを買おう。馬連でもいいかな。

鳴尾記念と安田記念の反省

鳴尾記念ハロン13秒台は出なかったが、2ハロン目が11秒6と遅く、その後も12秒台後半が連続するスローペースは予想通り。絶妙の逃げでステイインシアトルが重賞初勝利。 狙ったスピリッツミノルはなんと10番人気(10頭立て)。内枠を利して経済コースを中団のいい位置につけて直線に向いても絶好の手応え。これはいける!と思ったが、前が開かなかった……。5着止まり。鞍上が幸じゃなくてもっと達者な騎手だったら複勝はあったな。狙えるタイミングが次にいつ巡ってくるかはわからない。

安田記念の予想」と書いてあるのに結論を出していないのは反省すべきところ。 結局、ロゴタイプにした。リピーターが活躍するレースだということと、これまで東京の芝1600mでは3着が最低着順で(サンプル数は少ないけど)複勝率100%だというのを重視した。平均勝利距離と全然関係ないね……。 昨年より順調さを欠く臨戦過程だけど、1着から3着に落ちても複勝とワイドなら問題ないし。

今年もやっぱりロゴタイプが逃げたが昨年よりハイペース。後ろの馬にも早めに来られてどうかと思ったけど直線に入ってから突き放し、セーフティーリードに見えたがサトノアラジンの末脚が強烈だった。 ほかに驚かされたのはレッドファルクスとグレーターロンドン。レッドファルクスは前走で距離も持ちそうなところを見せていたのでそれほどでもないか。グレーターロンドンは重賞初挑戦がG1で4着入着とはすごい。順調なら天下を取るね。 サトノアラジンもG1の壁はなさそうな戦績だったので、ワイドを押さえていなかったのが悔やまれる。

第67回安田記念の予想

安田記念。今年は絶対王者不在などと言われているが、それだけチャンスのある馬がそろっているということでもあり、予想をしていておもしろいが、いろんな可能性を考え始めるときりがない。

春のマイル王決定戦ということになっているが、これまでの覇者を見るといろんなタイプがいて、純粋なマイラー(つまり勝ち鞍の距離を平均するとちょうど1600mに近いというような)が勝った例というのはそんなにない感じがする。ショウワモダンあたりがその例か。どちらかというともう少し長い距離で活躍した馬が勝っている印象。府中のマイルというのはほかと違ってスタミナが要求されるという説を裏付けることになるのだろうか。

ここ5年の勝ち馬の平均勝利距離を出してみた。

1着の距離だけじゃなくて2着3着の距離も含めるとどうなんだろうというのもあるが、ロードカナロアが目を引く以外は、やはり1600mよりも長いところに適性のある馬が勝っている傾向はありそうだ。つまり、春シーズンにおける天皇賞(秋)という位置づけのレースという捉え方がいいのではないか。変な言い方だけど。

ただし、そう決めたところで今年の狙いが絞れることにはならない。今年の有力馬にはマイルより長い距離で実績を挙げた馬が多いから。

というわけで出走馬の平均勝利距離を眺めていると、興味深い馬が1頭いることに気づいた。

エアスピネル。これまで実は3勝しかしていなくて、いずれも1600mだ。すなわち平均勝利距離はちょうど1600mである。菊花賞でも3着に好走しているのに実は生粋のマイラーだったのか。しかし得意なはずのマイルでも圧倒的な強さを見せたことがないのが微妙な評価につながっていると思うし、手薄な顔ぶれの東京新聞杯で3着だったのも印象を悪くしている。とはいえ前走マイラーズカップも勝ち馬にうまく乗られただけだし、大崩れはなさそうだ。

そうすると、この馬と同世代でマイルでは互角の勝負を続けているブラックスピネルにもチャンスがありそうに思えてくる……。あまり人気もないようだし、ちょっと買ってみるか。

しかし好きなステファノス単勝だけ買って見るのが無難か。

第70回鳴尾記念の予想

鳴尾記念は条件がころころ変わる重賞だが、今のところ宝塚記念の前哨戦の別定G3となっている。ラブリーデイの快進撃が始まったのがこのレースだったから、主催者の狙いは一応達成されているのかな。

とはいえ、今年はG1につながるとも思えない顔ぶれ。

このメンバーなら、そろそろスピリッツミノルの走り頃と期待したい。というのは、この馬これまで5勝していて、そのうちの4レースが重か稍重なのだ。今年の鳴尾記念が重馬場になることは期待できないが、重馬場のペースや馬群のばらけ方がこの馬には合っているのではないだろうか。そして、少頭数で飛ばす馬もいないと思われる今回は、そうした好走条件に当てはまる可能性が大きいと思う。今年の万葉ステークス(京都3000m)で3着に好走したからか、このところ長距離を中心に使われているが、もう少し短い距離のほうが安定した成績を残している。距離適性は中距離にあるが、速めのペースを追走すると終盤で脚が残らないのに対して、ハロン13秒台がどこかで現れるような緩い流れなら好走の確率が高まるという見方はどうだろう。同じ芝2000mでも、昨年6月の京橋特別1着と昨年12月のディセンバーステークス8着の違いがそこにあるというわけだ。

複勝とワイドを買う。ワイドの相手は、横山典弘がこの1鞍だけのために阪神に乗りに行くスズカデヴィアスと、スマートレイアー。ステイインシアトルが飛ばして逃げたら一巻の終わりだ。

第84回日本ダービーの反省

第84回日本ダービーは歴史的なスローペース。その中を向こう正面1000m通過地点あたりから押し上げていったルメール騎乗のレイデオロが、スワーヴリチャード以下後続の追撃をしのいで完勝。スローにはまるレースというのは、そのペースを利して上位にきた馬を買っていない限り退屈なものだが、今回は見応えがあった。

馬券(予想)はアルアインペルシアンナイトの単勝を買っていて、後者に力点を置いた配分だったのだが、レース中はアルアインを応援していた。3番手につけてペースは緩く、これはもらったと思ったが……。4コーナーを回って直線を向いたときはなぜかポジションを落としていた。ルメールが動いたとき松山はまだ早いと思ったのだろうか。ペルシアンナイトの戸崎は、ルメールの後ろから同じように上がっていったが直線ではあまり脚が残っていない感じだった。両者とも、末脚の持続力が必要とされる勝負には向いていなかったのかもしれない。

スワーヴリチャードはともかく、レイデオロはわりと高く評価していたつもりだったのに結局買い目には入れていなかったのは大いに反省しなければならない。一般の競馬ファンはやはり上手で、最終的には2番人気である。軽視したのは、これまでに勝ってきたレースの評価を見誤ったからだ。特に、ホープフルステークスJRAが過大評価して無理にG1に昇格させようとしているという思い込みによって目を曇らされたためだと思う。そういう邪念があっては勝てない。

第84回日本ダービーの予想(前日版)

週中にダラダラとダービーの検討を続けてきた(月曜木曜金曜)が、とうとう結果の出る日が来た。皐月賞の上位組と下位組の逆転はあるのか、青葉賞馬は今回どこまで食い込むのか、といったところが焦点。

結論としては、単勝を買って悔いのない馬としてペルシアンナイトを指名することにする。

皐月賞は、Numberでの福永祐一のインタビューによると「10年に1度くらいの非常に特殊な馬場状態」だったとのことで、ダービーでは順位が入れ替わる可能性が大きいと考えている関係者は多そうだ。ただ、上位2頭が展開などに恵まれてあの結果になったとは思えない。両馬とも不利はあった。アルアインは4コーナーで馬場の悪いところに入ったそうでズルズル後退した。それを盛り返したのは優れた身体能力と希有な精神力の現れだろう。最後に外によれたことを根拠に距離不安をとなえる説も見たが、ジョッキーの鞭に反応しての斜行であって苦しがってのものではないと思う。ペルシアンナイトも、最後甘くなってダンビュライトに詰め寄られたが、向こう正面という早い段階から押し上げていって長く脚を使った結果だと解釈したい。こうやまき賞やアーリントンカップでの走りっぷりを見ると、長くいい脚を使った上にもう一段の伸びを見せている。2400mでも心配はいらないように思う。

皐月賞が高速馬場だったので、ダービーには直結しないという説も見た。それなら去年はどうなるのか、とも思うが、一昨年はたしかに皐月賞上位5頭のうちダービーでも5着以内に入ったのはドゥラメンテだけだった。この年の皐月賞のラップは今年のパターンに似ているので、よほど強い馬を除いて本当に入れ替わるかもしれない。その上位に残る馬はアルアインペルシアンナイトのどちらかであり後者である可能性は高いと判断する。

気になるのは鞍上で、G1で人気を背負って構えたような騎乗ぶりで負ける場面はわりと多いような気がするが、まあ全力は尽くすだろう。