悔いのない馬券を

競馬予想の思考過程の備忘録として

第78回優駿牝馬の予想

馬券がダメだった京王杯スプリングカップヴィクトリアカップの反省をしないうちに次の週の競馬が始まってしまった。今日のメイステークスも、いつも出たら買っているナスノセイカンがオープン特別で絶好の舞台と思っていつもより多めに買ったら伸びず6着どまり。うーん。

さて、優駿牝馬すなわちオークスの予想を。

ここ5年のオークスと同年の桜花賞のラップタイムを比較して考えてみた。今年の桜花賞は馬場状態が稍重で特殊だが、3ハロン目が2ハロン目に比べてそれほど落ちていない(今年は2ハロン目10秒9に対して3ハロン目11秒1)という点と、最後の2ハロンはそれとは逆に落差が大きい(11秒9から12秒8)という点に着目すると、似たパターンだったのが2013年桜花賞。ハイペースの消耗戦というわけで、勝ったのはアユサン。この年のオークスは、桜花賞では最後の直線で脱落して10着だったメイショウマンボが勝ち、2着と3着にはフローラステークスから臨んだエバーブロッサムとデニムアンドルビーが入った。桜花賞上位組は、アユサンが4着に入った以外は、レッドオーヴァル、プリンセスジャック、クロフネサプライズローブティサージュのいずれも惨敗している。

ここから浮かび上がる仮説は、

  • 桜花賞が厳しい闘いだったので、よほど力が突出した馬でなければ桜花賞上位馬がオークスでも上位には来ない。
  • 桜花賞で闘いに参加していなかった馬か、別路線から向かった馬が有利。

といったところだろう。

産駒の成績が尻すぼみで実はそんなに大した種牡馬ではなかったという説すら出てきたフランケルの娘2番ソウルスターリングが前日の時点で単勝2倍台の1番人気。これは意外だが、実際の力はどうなんだろう。桜花賞でそこそこがんばったのがむしろマイナス材料、少なくとも人気には見合わないと思うので、積極的には買わない。14番リスグラシューも同じ。

逆に、勝った13番レーヌミノルは、突出しているとまで言えるかどうかはわからないが、アユサン級の力があるなら3着以内に来る可能性はある。このままさほど人気が集まらないようなら買う価値はあるだろう。

桜花賞でほとんど闘いに参加しなかった馬といえば、うんこしていた16番アドマイヤミヤビ。プリンシパルステークスでのダイワキャグニーと同様に、良績を挙げている東京コースに戻るので、人気でも買うつもり。

別路線組ではやはりフローラステークスだろう。勝った1番モズカッチャンと幸運にも抽選を通った11番レッドコルディスの伸び脚がよかったので、この2頭をピックアップ。ここまでに挙げた4頭のうちから2頭軸でワイド6点を買うつもり。単勝はアドマイヤミヤビ。

第12回ヴィクトリアマイルの予想(結論)

昨日は結論をちゃんと書いてなかったので、今日決めた馬券を書いておく。

昨年の上位5頭から、引退したストレイトガールショウナンパンドラを抜いたらミッキークイーンスマートレイアールージュバックが残る。この3頭は深く考えず買えるはず。

ウキヨノカゼは昨年7着だったが、上がり3F33秒4という数字は勝ったストレイトガールに並んで最速。近走の中山牝馬ステークスから福島牝馬ステークスへというローテーションも過去に好走例がある(ミナレットマイネイサベル)。スプリンターズSでも3着の経験があり、G1でも格で負けることはない。相性のいいクイーンカップの覇者。条件がそろっているから改めて拾う。

結論としては、ミッキークイーンからスマートレイアールージュバックウキヨノカゼの3頭への馬連とワイド。当たっても破壊力のない組み合わせだけど。

第12回ヴィクトリアマイルの予想

先週のNHKマイルカップを的中させたことがないと書いたが、このヴィクトリアマイルも的中した覚えがない。

ストレイトガールが連覇し、かつその前年にも3着に入っていることで、スプリント適性が問われるレースのようなイメージを持っていた。そうすると、4番ソルヴェイグや12番ウキヨノカゼ、14番レッツゴードンキといった馬にチャンスがありそう。しかし、過去の好走馬の顔ぶれを見ると、必ずしもそうではないようだ。桜花賞クイーンカップなど3歳までのマイル戦で良績を残した馬の活躍は目立つが、そういう馬がもっと長い距離でも活躍していたりするし、距離適性についてはそんなに顕著に限定的な傾向があるわけではないのかもしれない。マイルやスプリントに向いた馬という意味では、過去のカフェブリリアントウインプリメーラ、ウリウリなども資格がありそうに見えたが、大敗している。その一方で、好走した馬は連続して好走する傾向があることもよく知られている。ということは、このレースで問われるのは、ある種の底力、まさにG1という舞台でこそ要求される一段階上の力ではないだろうか。それは筋力とか心肺機能とか、数字だけを見ていてはわかりづらいアスリートとしての性能かもしれない。相馬眼があれば見抜けるのかもしれないが……。

机上派としてそうした部分で大きなヒントになりうるのは血統だろう。血統表をながめていて目に留まったのが6番アスカビレン。母の母の父がNashwan(父Blushing Groom)で、この点ではホエールキャプチャと同じ。Blushing Groomを持つ馬としてはほかにもヴィルシーナがいたし、昨年は2着だった11番ミッキークイーンもそうだ。今年の出走馬では2番スマートレイアーと7番ルージュバックもそう。Blushing Groomの爆発力が間歇泉のようにここで発揮されるというシナリオはどうか。ただ、ここで挙げた馬にそのクロスがあるわけでもなく、Blushing Groomの支配力がどれほどかという疑問は残る。また、アスカビレンのように前走が重賞でなかった馬で3着以内に入ったのはここ5年で皆無なのが気になる。昨年6月の阪神芝1800mの三木特別での勝ち時計1分45秒0は重賞級だと思うが、上で述べたようにG1という舞台で上位にくる資格が臨戦過程にも反映しているのかもしれないし。

ミッキークイーンは血統面からも臨戦過程からも不動の中心と考え、血統面でアスカビレンを選び、ほかは近走の充実ぶりからピックアップするという考え方も現実的かもしれない。たとえば福島牝馬ステークスで好走した15番フロンテアクイーンや、もう少しで阪神牝馬ステークスを勝てそうだった3番ジュールポレールには惹かれる。ミッキークイーンからジュールポレールスマートレイアー、アスカビレン、フロンテアクイーンの4頭に馬連とワイドを流すとか。しかしこういう腰の定まらない買い方では悔いが残りそう。

第62回京王杯スプリングカップの予想

京王杯スプリングカップ安田記念の前哨戦とされているが、結果がそんなに連動しているわけでもなく、むしろ芝1400mの重賞としてここが適距離の馬にとっては貴重な舞台になっていると考えてはどうだろう。ハロン10秒台もちょくちょく出現するようなハイペースを中団あたりで追走できて、しっかりした末脚も使えるが1600mだとちょっと足りないというようなイメージ。

ここ5年の上位馬の臨戦過程を見ると、東京新聞杯ダービー卿チャレンジトロフィーで惜しい負け方をした馬が多い。昨年のサトノアラジンや2014年のクラレント、2013年のダイワマッジョーレトライアンフマーチガルボ、2012年のサダムパテック(これは東京新聞杯13着で大敗だが)など。あるいは逆に高松宮記念で大敗した後、かなり条件の違うここで巻き返すパターンか。2015年のサクラゴスペルと2014年のレッドスパーダはこのタイプ。この傾向からも、1200mでも1600mでもなく1400mに適性を持つ馬の舞台だと考えていいと思う。

JRA公式サイトで過去の好走パターンが示されているのでこれも参考にしよう。

  • 前走6着以内
  • 東京芝の1600万下クラス以上で連対経験
  • 前走が1400m以上、1400mの場合は高松宮記念で4角9番手以内が必須

この条件をすべて満たすのが3頭いる。5番トーセンデューク、7番ブラヴィッシモ、9番グランシルク。この3頭のワイドをボックスで買えばいいだろう。配当もそこそこいい。

特にグランシルクは、冒頭で述べたイメージにぴったり。東京芝1400mは2戦2勝で、いずれも条件戦だが、中団から外を回してかなり距離のロスがあったのに最後は後続を突き放す強い勝ち方だった。1600mでも常に人気を背負ってそこそこ好走するが、いつも一歩足りず惜敗している印象。前走のダービー卿CTもそうだった。この馬の本当の適距離は1400mではないか。ここでも当然ある程度は支持を集めるだろうが、1番人気ということはないはずだし、ほかの有力馬にも懸念材料がある今回、勝てるチャンスはいつもより大きいと思う。

2回京都5日・東京5日・東京6日の馬券の反省

土曜日の京都メイン、京都新聞杯を勝ったのは実績通りプラチナムバレット。せっかく勝ったのに骨折でダービーに出られないのは残念。ダノンディスタンスが3着。ほぼデータ通りの決着。ここに書いた予想の通り買っておけば的中だったのに、サトノリュウガを軸にしたワイド流しに変更したので馬券は外れ。人気を見ておくならダノンディスタンスの複勝を買っておくべきだった。

土曜の東京のメイン、ダービートライアルのプリンシパルステークスはダイワキャグニーが楽勝。抜け出すときの脚はすばらしかった。レッドローゼスが2着で予想も馬券も的中。ダイワキャグニーは単勝1番人気ではあったが思ったほど支持率は高くなく、見た時点では4倍台だったので単勝を買った。レッドローゼスが2番人気に支持されたのも意外だったが、オッズを見る前にワイドを購入したので無事的中した。

しかし1分58秒3という勝ちタイムはどうなんだろう。速すぎじゃないか。ダービーまで中2週しかないので、反動が心配。思ったより成長度が低いという話も聞いたし、本番で買うことはまずないだろう。

日曜日の東京メイン、NHKマイルカップ牝馬のアエロリットが先行して抜け出し余裕の勝利。実績のわりに人気になりすぎていると感じたが、実力の裏付けがあったようだ。血統もここ数年の傾向の通りだった。これで2年連続で牝馬が勝ったことになる。2着にも牝馬のリエノテソーロで、これはノーマークだった。3着に残ったボンセルヴィーソを含め、上位は前の方にいた馬が占めた。狙ったレッドアンシェルは後方から。4コーナーで内に潜り込むことを期待したが、そういう展開にはならなかった。外を回った距離のロスが響いて惜しい4着。今年も的中はならず。皐月賞組のアウトライアーズもプラチナヴォイスも出番はなかった。軽視した2着馬・3着馬にやられた格好だが、馬券の買い方としては間違っていなかったと思う。

第22回NHKマイルカップの予想

考えてみればこのレースを的中した記憶がない。クラシックで頂点を目指してきた馬たちと、早い段階で短距離に狙いを定めてきた馬たちが合流する特殊な3歳G1なので、力関係を推し量るのが難しい。結果的に高配当にもつながっているのだろう。

皐月賞のとき「どこからでも狙えそうなメンバー構成になった」と書いたが、ここも同じだ。そして前日の夜の時点で牝馬のカラクレナイが1番人気に推されていることも同じ。ファンディーナで懲りてなかったのか……。当日になったらモンドキャンノが1番人気に変わるかもしれないが。

ここに至る過程でどのレースがレベルが高かったか、そしてそこでどんなパフォーマンスを見せたかをじっくり検討すればいいはずだ。

前哨戦として検討の対象になるのは、皐月賞桜花賞ニュージーランドトロフィースプリングステークスアーリントンカップ、橘ステークスといったところだろう。

皐月賞での着順は悪いが、3番アウトライアーズと5番プラチナヴォイスはともにスプリングステークスで上位に来ており、ほぼ同等に高く評価できるだろう。ただしハイレベルの激戦だったのでその疲労が抜けきっていないかもしれず、割り引いて考えるべきかもしれない。同じことは桜花賞組の3頭についても言える。

ニュージーランドトロフィーは、稍重の馬場状態だったので勝ち時計も1分36秒0と平凡だが、評価は難しい。ラップタイムを見ても11秒台前半がなく、凡戦だった可能性が高いが、同日の古馬1000万下1800mの野島崎特別トウカイシェーンが1分49秒1ということから推測すると、3歳の重賞としては平均的な水準というところか。ここを経由した馬は5頭いるが、目についたのが8番タイムトリップ。ただし、目を引く差し脚で5着に好走したが、最後は止まっているように見えた。舞台が府中に替わって同じように鮮やかに差してくることは期待薄だろう。

アーリントンカップは、勝ち馬のペルシアンナイトが皐月賞で2着に入ったこと、勝ちタイムが同日の古馬1000万下丹波特別のピンストライプ1分35秒0を1秒近く上回っていること、ペースも比較的流れていることなどから考えて、今年の3歳のG2・G3の中ではレベルが高かったものと評価できるだろう。このレースからの直行は、かつてミッキーアイルが勝利しており好ましいローテーションでもある。ここを経由した馬は2頭いるが、キョウヘイはシンザン記念が特殊な馬場だったので評価を下げ、浅いキャリアながら2着にがんばった15番レッドアンシェルを取り上げる。

橘ステークスはタイムも平凡でそれほど高く評価できない。

以上の考察に加え、フレンチデピュティの血を持つ馬の活躍が目立つという点に着目して16番アエロリット(父クロフネ)をピックアップ。牝系も、母の母がアイルドフランスでミッキーアイルの近親でもあり、条件がそろいすぎているのが逆に気になるくらい。

結論としては、アウトライアーズ・プラチナヴォイス・レッドアンシェル・アエロリットのワイドをボックス買い。トリガミかな?

第65回京都新聞杯の予想

ダービートライアルでもないのにトライアルのような顔をしてこの時期に収まっているレース。JRA公式サイトのデータ分析によると、好走条件は次の通り。

  • JRAの500万下から上のクラスの芝1800m以上のレースで連対経験があること
  • キャリア5~8戦
  • 馬番1~11

今年の出走馬は12頭なので、3番目の条件はあまり関係ないかもしれない。上2つを共に満たすのは、なんと2番ダノンディスタンスと11番プラチナムバレットの2頭のみ。超簡単だ。この2頭の馬連1点でいいのだから。予想終わり。

……しかし、皆さんお気づきだろうか。このブログで「簡単だ」と書いた時はほぼ例外なく外れていることに。

500万下での近走がポイントになるという点では青葉賞に似ている。そこで、500万下の勝ち時計とレースぶりを検討しておく。1月7日の京都2000m福寿草特別(サトノリュウガ)、1月28日の京都2400m梅花賞(インヴィクタ)、2月25日の中山2200m水仙賞(サトノクロニクル2着)、4月8日の福島2000mひめさゆり賞(ミッキースワロー)、4月15日の阪神2000mはなみずき賞(プラチナムバレット)が対象になる。

この中でレースのレベルが高かったと思えるのが、福寿草特別。2分0秒3という勝ち時計は、1回・2回京都の同条件で古馬の1000万下や1600万下を上回ってナンバーワンと優秀だし、1ハロンあたり11秒台あるいは12秒台前半が続出するラップタイムもいい。ただし、6ハロン目で突如13秒3と遅くなっており、勝ち馬はここで先行馬との差を詰めることができた。ここ数年の京都新聞杯でも、これほど極端ではないにせよペースがかなり緩む場面は必ず出現しているから、同じような展開で乗り切れるはず。したがってサトノリュウガの単複は押さえる。インぴったりを回ることができたコースどりまで同じように恵まれるとは限らないが……。

ラチナムバレットのはなみずき賞は目立つ水準ではないが、ここまで堅実に走ってきていることからも外せないだろう。インヴィクタの梅花賞も平凡だが、勝ち方はよかった。

ほかに、ダノンディスタンスの(500万下ではないが)若駒ステークスは、5頭立てでアダムバローズとの一騎打ちのような様相を呈して写真判定で負けていたもの。勝ちに等しい内容だと判断して、これも押さえる。

ここまでに挙げた4頭でワイドのボックスを買えば当たるのではないか。