第22回NHKマイルカップの予想
考えてみればこのレースを的中した記憶がない。クラシックで頂点を目指してきた馬たちと、早い段階で短距離に狙いを定めてきた馬たちが合流する特殊な3歳G1なので、力関係を推し量るのが難しい。結果的に高配当にもつながっているのだろう。
皐月賞のとき「どこからでも狙えそうなメンバー構成になった」と書いたが、ここも同じだ。そして前日の夜の時点で牝馬のカラクレナイが1番人気に推されていることも同じ。ファンディーナで懲りてなかったのか……。当日になったらモンドキャンノが1番人気に変わるかもしれないが。
ここに至る過程でどのレースがレベルが高かったか、そしてそこでどんなパフォーマンスを見せたかをじっくり検討すればいいはずだ。
前哨戦として検討の対象になるのは、皐月賞、桜花賞、ニュージーランドトロフィー、スプリングステークス、アーリントンカップ、橘ステークスといったところだろう。
皐月賞での着順は悪いが、3番アウトライアーズと5番プラチナヴォイスはともにスプリングステークスで上位に来ており、ほぼ同等に高く評価できるだろう。ただしハイレベルの激戦だったのでその疲労が抜けきっていないかもしれず、割り引いて考えるべきかもしれない。同じことは桜花賞組の3頭についても言える。
ニュージーランドトロフィーは、稍重の馬場状態だったので勝ち時計も1分36秒0と平凡だが、評価は難しい。ラップタイムを見ても11秒台前半がなく、凡戦だった可能性が高いが、同日の古馬1000万下1800mの野島崎特別トウカイシェーンが1分49秒1ということから推測すると、3歳の重賞としては平均的な水準というところか。ここを経由した馬は5頭いるが、目についたのが8番タイムトリップ。ただし、目を引く差し脚で5着に好走したが、最後は止まっているように見えた。舞台が府中に替わって同じように鮮やかに差してくることは期待薄だろう。
アーリントンカップは、勝ち馬のペルシアンナイトが皐月賞で2着に入ったこと、勝ちタイムが同日の古馬1000万下丹波特別のピンストライプ1分35秒0を1秒近く上回っていること、ペースも比較的流れていることなどから考えて、今年の3歳のG2・G3の中ではレベルが高かったものと評価できるだろう。このレースからの直行は、かつてミッキーアイルが勝利しており好ましいローテーションでもある。ここを経由した馬は2頭いるが、キョウヘイはシンザン記念が特殊な馬場だったので評価を下げ、浅いキャリアながら2着にがんばった15番レッドアンシェルを取り上げる。
橘ステークスはタイムも平凡でそれほど高く評価できない。
以上の考察に加え、フレンチデピュティの血を持つ馬の活躍が目立つという点に着目して16番アエロリット(父クロフネ)をピックアップ。牝系も、母の母がアイルドフランスでミッキーアイルの近親でもあり、条件がそろいすぎているのが逆に気になるくらい。
結論としては、アウトライアーズ・プラチナヴォイス・レッドアンシェル・アエロリットのワイドをボックス買い。トリガミかな?
第65回京都新聞杯の予想
ダービートライアルでもないのにトライアルのような顔をしてこの時期に収まっているレース。JRA公式サイトのデータ分析によると、好走条件は次の通り。
- JRAの500万下から上のクラスの芝1800m以上のレースで連対経験があること
- キャリア5~8戦
- 馬番1~11
今年の出走馬は12頭なので、3番目の条件はあまり関係ないかもしれない。上2つを共に満たすのは、なんと2番ダノンディスタンスと11番プラチナムバレットの2頭のみ。超簡単だ。この2頭の馬連1点でいいのだから。予想終わり。
……しかし、皆さんお気づきだろうか。このブログで「簡単だ」と書いた時はほぼ例外なく外れていることに。
500万下での近走がポイントになるという点では青葉賞に似ている。そこで、500万下の勝ち時計とレースぶりを検討しておく。1月7日の京都2000m福寿草特別(サトノリュウガ)、1月28日の京都2400m梅花賞(インヴィクタ)、2月25日の中山2200m水仙賞(サトノクロニクル2着)、4月8日の福島2000mひめさゆり賞(ミッキースワロー)、4月15日の阪神2000mはなみずき賞(プラチナムバレット)が対象になる。
この中でレースのレベルが高かったと思えるのが、福寿草特別。2分0秒3という勝ち時計は、1回・2回京都の同条件で古馬の1000万下や1600万下を上回ってナンバーワンと優秀だし、1ハロンあたり11秒台あるいは12秒台前半が続出するラップタイムもいい。ただし、6ハロン目で突如13秒3と遅くなっており、勝ち馬はここで先行馬との差を詰めることができた。ここ数年の京都新聞杯でも、これほど極端ではないにせよペースがかなり緩む場面は必ず出現しているから、同じような展開で乗り切れるはず。したがってサトノリュウガの単複は押さえる。インぴったりを回ることができたコースどりまで同じように恵まれるとは限らないが……。
プラチナムバレットのはなみずき賞は目立つ水準ではないが、ここまで堅実に走ってきていることからも外せないだろう。インヴィクタの梅花賞も平凡だが、勝ち方はよかった。
ほかに、ダノンディスタンスの(500万下ではないが)若駒ステークスは、5頭立てでアダムバローズとの一騎打ちのような様相を呈して写真判定で負けていたもの。勝ちに等しい内容だと判断して、これも押さえる。
ここまでに挙げた4頭でワイドのボックスを買えば当たるのではないか。
2回東京5日11Rプリンシパルステークスの予想
一応ダービートライアルだけど、ダービー本番とは関連が薄い東京芝2000mのレース。スピルバーグとかアンビシャスとか、その後の活躍馬はそれなりに出ているから存在意義がないわけじゃないけど。以前は2200mだったのに短縮されたのは、京都新聞杯が2200mになったのとバランスを取るためかもしれないが、ますますダービーを遠ざけているような気がする。
今年は12頭立てで、そのうち半数が(地方競馬所属の馬を含め)JRAでの勝ち星が1勝以下という低調なメンバー。弥生賞でも人気を集めた8番ダイワキャグニーに支持が集中するだろう。ダービーに出てそこそこ勝負になりそうなのはこの馬ぐらいなので、ぜひ勝って優先出走権を得てほしいところ。しかし馬券としての妙味はないので、より人気の薄いところを探したい。
ここ5年間で3頭が馬券圏内に来ている山藤賞から、今年も勝ち馬レッドローゼス(1番)が駒を進めている。と言っても、山藤賞も今年から条件が変わり、200m短縮されて1800mになったので、あてにならないかもしれないが……。その山藤賞のタイム1分48秒9は、前の週の1000万下野島崎特別のトウカイシェーン1分49秒1も、その前の開催の1600万下スピカステークスのワンブレスアウェイ1分49秒0も上回り、2回・3回中山の芝1800mでは4番目の好タイム。これを上回るのは中山記念・スプリングステークス・フラワーカップでいずれも重賞だから、ここでも十分勝負になると考えていいだろう。勝ちっぷりを見ても、外を回っての楽勝だった。相手は弱かっただろうから、ちょっとホウオウパフュームを思わせるのが難だが……。オッズ次第だが、この馬の単複と、3番エトルディーニュとのワイドを買ってみたい。
青葉賞と天皇賞の反省
まあ、今回は珍しく両方とも予想は的中したので、反省といっても馬券の買い方ぐらいなのだが。
青葉賞はアドミラブルが後方待機から3コーナーを過ぎてまくっていくという予想外の戦法をとったが楽勝。ハロンタイムを見ると最初の12秒5が一番遅くて、2ハロン目から11.2 - 11.8 - 11.8と11秒台が連続するハイペース。勝ちタイムは2分23秒6で、日曜の古馬1000万下の陣馬特別ウインヴォラーレ2分25秒9より2秒以上速い。相当の器だと考えるべきだろう。ダービーを勝てるとは限らないが。
期待したアドマイヤウイナーはよく追いすがったが、なんとかポポカテペトルを差して3着。ダービーの権利は取れなかった。複勝とワイドが的中。
天皇賞は、水曜日に書いた通りの厳しいペースをキタサンブラックが(というよりヤマカツライデンが)作り、後続を完璧に封じた。スタートからの7ハロンが12.9 - 11.5 - 11.2 - 11.3 - 11.4 - 11.6 - 11.6と、短距離のレースかと思うようなハイペース。1200m通過が1分9秒9、1400mが1分21秒5、1600mが1分34秒5である。この驚異的なハイペースを乗り切って3分12秒5のレコード。シュヴァルグランもいいレースをしたと思うが、キタサンブラックが一枚上だった。3連複は結局レインボーラインを買わず、1点だけにした。アドマイヤデウスがまさかの激走で肝を冷やしたが、あそこで最後に差すあたりがサトノダイヤモンドさすが最強馬だ。単勝、ワイド、3連複が的中。
シャケトラが出遅れた上に引っかかって9着と初めての大敗を喫した。予想の範囲内ではあったが、ちょっと期待した部分もあったので難しい面を出してしまったのは残念だ。
第155回天皇賞(春)の予想(前日版)
枠順はキタサンブラックが3番、サトノダイヤモンドが15番と2強が内外に分かれた。内枠有利とされながらも前日売りで単勝1番人気に推されているのはサトノダイヤモンドのほうで、競馬ファンの見識の高さを感じる。
しかし、水曜日の時点での予想を変える必要は感じないので、キタサンブラックの単勝で勝負するつもり。
ただし、2強で決まったとしても馬券の対象は必ずもう1頭いる。それを見つけたい。
水曜日には、メジロマックイーンとトウカイテイオーのことを書いたが、ナリタブライアンとマヤノトップガンの2強対決という年もあった。1996年だ。この時もやはり両雄並び立たずで、勝ったのはこの2頭ではなくサクラローレル。今回これに近い存在はシャケトラだが、日経新春杯と日経賞はともにロスの多い不安定な競馬で、素質だけでここまで来た印象。3200mのG1を同じように走っては乗り切れないだろう。前走は「近くにゲート入りの悪い馬がいてその様子にイライラしていた」という情報があり、今回は1番なので真っ先にゲートに入らなければならないという不安材料もある。これで好走したらすごい馬だけど……。
といって他に勝負づけがまだ済んでいない新星も見当たらない。
となると、3番手候補のうちどれかを選ぶしかない。日経賞のレースぶりからは10番アドマイヤデウスが狙えそうだが、どういうわけかG1になるとまったく歯が立たず、最高着順が天皇賞(秋)でのモーリスの6着。買えない。
あるいは16番レインボーライン。菊花賞で2着だからコースも距離も向くだろう。買わない理由はないのでは。
あと6番シュヴァルグラン。こちらは単勝4番人気なので買いづらいが、過去5年間で3着以内に来たのべ15頭のうち6頭を占めるハーツクライ産駒。去年も3着だし、外しづらい。 ほかにアルバートとか、復活を期すゴールドアクターやディーマジェスティなどもいるが、あまり手を広げては的中しても利益が出ない恐れがあるので、3連複はレインボーラインとシュヴァルグランに絞りたい。
特にアルバートは迷うところ。ペルースポートにさかのぼる有力な牝系で、平出貴昭『覚えておきたい日本の牝系100』では「“G1まであと少し”の社台牝系」とされていて、ラブリーデイが出たので続々と壁を破る馬が出てくるかもしれないという気もするが、G1はこれまで3戦していずれも着外なので今回もチャンスは薄いだろうと思った。
第24回テレビ東京杯青葉賞の予想(前日版)
昨日書いたように6番アドマイヤウイナーに期待する。あと、人気でも10番アドミラブルは外せないだろう。アゼリア賞と同じく、(元)夫婦馬主の対決になる。
前走でオープン特別や重賞に出ていた馬は、ここ5年で馬券になったのは2014年の3着ヤマノウィザード(すみれステークス7着)と2012年の勝者フェノーメノ(弥生賞6着)だけ。今年は京成杯3着の7番マイネルスフェーン、若葉ステークス7着の8番タガノアシュラ、弥生賞4着の9番ベストアプローチ、スプリングステークス5着の11番トリコロールブルーと4頭いるが、どれも一長一短あるけど3着なら来てもおかしくない感じ。展開の利を受けそうなタガノアシュラが狙い目かな。
3連単で大きな配当を狙おうと思っていろいろ考えたが、絞りきれないのでやっぱり昨日の予想の通りアドマイヤウイナーの複勝とアドミラブルとのワイドを買っておくことにする。
第24回テレビ東京杯青葉賞の予想(枠順決定前)
ダービー本番に結びつかないことで有名なダービートライアル。例によってJRA公式サイトでのデータ分析を参考にする。
そこで示されている条件は次の通り。
- 前走で1・2番人気
- 過去4走で2勝以上
- 過去3走以内で芝2000m以上に3回または2回出走
- 前走で芝2200m以上の500万下で3着以内
これらすべてに当てはまるのが、ゆりかもめ賞の勝者ダノンキングダム。 3つ当てはまるのが、アドマイヤウイナー(大寒桜賞)、アドミラブル(アザレア賞)、イブキ(水仙賞)、ポポカテペトル(ゆきやなぎ賞)の4頭。どれもダービー本番では凡走しそうで、逆に言うとここではチャンスがありそうなイメージ。
以上の5頭が通過した500万下のレースの頭数は、水仙賞の10頭が最多で、あとはすべて8頭立てだった。少頭数でゆるい流れのレースが多かったわけだ。今年のクラシック戦線は勢力が分散しているのと、そのこととも関連するがきつい流れを経験する機会があまりなく、結果として弱い相手に鮮やかな勝ち方をして人気を集めた馬がころっと負けるという傾向があるように思う。青葉賞も、大きな着差をつけて圧勝したことのあるアドミラブルが人気になりそうだが、厳しいレースを経験していない以上、ここで苦戦してもおかしくない。
ただし、アドマイヤウイナーが勝った大寒桜賞は少し様相を異にするかもしれない。1ハロン12秒前後のゆるみのないペースで大逃げを打ったブラックジェイドを自らつかまえに行って差し切り、3着以下には5馬身以上の差をつけたもの。こういう勝ち方ができる馬は強い。勝ち時計2分13秒6は、同日の古馬500万下フォンスの2分15秒2や翌日の古馬1000万下熊野特別パフォーマプロミスの2分15秒9を大きく上回って優秀。大寒桜賞の勝ち馬はこれまで4年連続して青葉賞で3着以内に入っている。今年も期待できそうだ。複勝なら万全か。